中国の新型コロナウイルスで初の死者 タイへの旅行者も感染

中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎患者があいついでいる問題で、同市衛生健康委員会は11日、入院治療中だった61歳の男性患者が死亡したと発表した。
また、タイ保健省は13日、バンコク近郊の国際空港に到着した中国人旅行者の女性から、新型コロナウイルスと同型のウイルスが検出されたと明らかにした。
中国以外で初めて感染が確認されたのは、武漢市から観光で訪れた61歳の中国人女性。タイ保健省によると、この患者は今月8日に首都バンコク近郊のスワンナプール国際空港に到着後、38度以上の発熱や呼吸器疾患の症状がみられたため、搬送先の病院で検査を行った結果、武漢市で確認されたのと同じ新型コロナウイルスが検出された。
女性は回復に向かっており、帰国の準備が進められている。また、現時点で一緒にタイへ訪れた団体旅行客に同様の症状は確認されていないという。
武漢市健康衛生委員会の最新報告によると、同市では今月9日午後、入院中の61歳の男性患者が重度の肺炎と呼吸不全、敗血症性ショック、多臓器不全などにおちいって死亡した。男性は華南海鮮市場の出入りの業者で、肝臓病などの持病があったという。
同市では13日現在、41人から新型コロナウイルスの感染が確定していて、このうち7人が退院、6人が現在も危険な症状だという。患者と接触歴のある763人のうち、687人については医学的な観察を受けている。
中国では今月25日から1週間、旧正月にあたる春節の連休期間に入るため、30万人近い旅行者が日本をはじめとする海外に出国する。厚生労働省は現在、空港の検疫システムを強化し、武漢市からの帰国者や入国者に対して、大量不良がある場合は自己申告するよう呼びかけたり、サーモグラフィーなどを使って発熱などの症状がないかどうか確認を行っている。