阪神・淡路大震災がもたらした「正の遺産」とは

25年前の阪神・淡路大震災は、6000人を超える犠牲者と全半壊家屋約25万棟、10兆円を超える甚大な被害をもたらしました。しかし、「負の遺産」だけでなく「正の遺産」も残しました。大震災がもたらし、私たちが引き継いだ「正の遺産」とは何でしょうか。
阪神・淡路大震災が契機になったこと

【ボランティア元年】

阪神・淡路大震災をきっかけに災害ボランティアが定着したため、1995年は「ボランティア元年」と呼ばれています。ボランテアの延べ人数で、阪神・淡路大震災が167万人、東日本大震災が550万人など復興の助けになっています。地震だけでなく、豪雨被害でも民家の泥かきなどに活躍しています。
【震度階級に「5強」などを新設】
【東京消防庁にハイパーレスキュー創設】
【災害派遣医療チーム(DMAT)発足】
【カセットコンロ・ガスボンベの規格統一】

阪神・淡路大震災の被災者はカッセット式のガスコンロを利用しましたが、メーカーによってガスボンベのサイズや構成部品が異なるため不便が生じていました。これを教訓として1998年2月に日本工業規格が改正され、ボンベの形状が1種類に規格化され、どのメーカーのカセットコンロでも統一されたボンベを使うことができるようになりました。
【水道レバーが「下げ止め式」に】

水道の湯水混合水栓のレバーは、阪神・淡路大震災の前まではレバーを上げると止まる「上げ止め式」が普及していました。しかし、大震災でレバー周辺の物が落下して水道水が出しっぱなしになるという事例が多発したため、震災後はレバーを下げると止まる「下げ止め式」が普及しました。
【地震保険が普及する】

参考資料など
東京消防庁「消防救助機動部隊」、損害保険協会「地震保険の契約件数」、「神戸新聞NEXT」