自民党の河井克行前法相=衆院広島3区=の妻で同党の案里参院議員=広島選挙区=が初当選した2019年参院選を巡る公職選挙法違反事件で、案里氏の男性公設秘書が広島地検の任意の聴取に、車上運動員への法定限度を超える報酬の支払いに関与し、違法性を認識していたと説明していることが関係者への取材で判明した。地検は夫妻の事務所などの捜索で携帯電話やパソコンも押収しており、夫妻の関与を含め、指示系統の解明を進める。
公選法は、選挙カーに乗ってアナウンスをする車上運動員の日当の上限を1万5000円と定める。関係者によると、案里氏陣営は車上運動員13人に3万円の日当を支払った疑いが持たれている。車上運動員は地検の任意の聴取に受け取ったことを認め、運動員名で日付や費目が異なる2枚の領収書が作られていたことも判明している。男性公設秘書は複数回の聴取の中で、違法と認識しながら支払いに関わったとの趣旨の説明をしたという。
この秘書はかつて克行氏の公設秘書を務め、夫妻の後援会や政治団体で会計責任者をした時期もある。参院選では案里氏陣営で車上運動員らの手配や報酬の取り扱いを担当していたとみられ、参院選後、案里氏の公設秘書に就いた。18日、広島市内で報道陣の取材に「捜査中なのでお話しできません」と述べた。夫妻は20日召集の通常国会に出席する意向を示している。
地検は、いずれも広島市内にある夫妻の事務所や複数の秘書の自宅などを15日に捜索し、案里氏の女性秘書からも複数回にわたって任意で聴取している。
公選法は、選挙運動の総括主宰者らに罰金以上、親族や秘書らに禁錮以上の刑が確定すると、候補者の当選が無効になる「連座制」を規定している。地検が男性公設秘書を立件した場合、連座制が適用されるかが焦点となる。【賀有勇、手呂内朱梨】