九州新幹線・長崎ルートで県内を通る未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)の整備方式を巡り、国土交通省と佐賀県の間で協議に対する認識の違いが鮮明になっている。「1月中には可及的速やかに協議に入りたい」と、事務レベルでの本格的な協議入りを急ぐ同省に対し、山口祥義知事は22日の定例記者会見で「1月中の協議入りは到底考えられない」と明言。事務レベル協議は文書で進める考えを明らかにした。【竹林静】
16日に県庁を訪れた同省の足立基成・幹線鉄道課長は、南里隆・地域交流部長と面談。開発の遅れなどで断念されたフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の他、県が「これまでの合意にない」(山口知事)と反発するフル規格、ミニ新幹線など「五つの整備方式の論点を整理し真摯(しんし)に協議する」と文書で提案した。
文書では、協議スケジュールについて「結論・期限ありきで性急に行わない」としつつ、1月から担当者間で1カ月に1、2回程度▽山口知事と同省鉄道局長間で1、2カ月に1回程度の頻度で進めると提案。山口知事は「我々が求めているのは事務的な問題の進め方ではなく、国がどういうスタンスで協議に臨もうとしているかだ」と不満をあらわにした。会見後、報道陣の取材に「(同省が示した)文書は我々の意図したものでは全くない。私たちの意識に、あの紙はないイメージ」と切り捨てた。
事務レベル協議の進め方については、県からの質問を文書で送り、同省の回答を求めるとした。県はフル規格での整備に反対する姿勢を崩しておらず、国交省ペースの協議に巻き込まれることへの警戒感があるとみられる。県側には「国交省はこれまでの合意、約束ごとを守っていない」(南里部長)との不信感も根強い。
山口知事は同省との文書でのやり取りを報道各社に公開する意向を示し、「開かれた形で県民にも知ってもらえたら、さまざまな形で議論が進むのではないか。県を大きく左右する問題なので一つ一つ丁寧にやらせてもらいたい」と語った。