ツイッターで話題、「養育費」支払い拒否なら「6カ月以下の懲役」って本当?

「【朗報】令和2年4月1日より養育費を支払わず逃げた場合6ヶ月以下の懲役、50万円以下の罰金となります」。養育費に関するこんなツイートが約5万回リツイートされ、話題となっています。 これは2019年4月1日から、養育費を強制的に回収するときの民事執行の手続きを定める「改正民事執行法」が施行されることによるものです。 ツイートは、全くの間違いというわけではないのですが、養育費を払わなかった人が必ず罰せられるわけではありません。どのような条件があるのか、林正和弁護士の解説とともに、ポイントをまとめました。 ●「財産開示手続き」無視したら刑事罰 養育費を支払わない人に対しては、「財産開示手続き」を行うことができます。これは相手を裁判所に呼び出して、自分の財産について開示してもらうものです。 これまでは、「財産開示手続き」を無視したり、虚偽の回答をしたりした場合、30万円以下の過料の行政罰に処せられることになっていましたが、改正法でこの制裁が強化され、6月以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰になります。刑事罰のため、前科となります。 これまでは30万以下の過料ということで、実効性に乏しく、利用実績も年間800件前後でした。林弁護士は「損得勘定だけで言えば、財産を隠し持っている人は、財産開示手続に応じず、そのまま隠し通した方が得だと感じてしまう」と指摘します。 今後はこの手続きを利用する人が増えるかもしれません。 ただ、養育費の支払いを求めるために財産開示手続きを利用するには、養育費について調停調書や判決、公正証書などで取り決めされている必要があります。 協議離婚がおよそ9割の日本では、養育費の取り決めについても、そもそもなかったり口約束であったりすることが大半。そのため、養育費を払わなかったからといって、刑事罰の対象になる例はあまり多くないとみられます。 ●裁判所が銀行本店に情報を照会 他にも、「改正民事執行法」により、第三者から相手の財産に関する情報を取得する制度が新設されました。裁判所が相手の銀行口座や勤務先の情報を提供するよう命じるようになるため、財産を差し押さえやすくなります。 これまでの財産開示手続きでは、先ほども書いた通り、30万円以下の過料という制裁があったものの、相手が自ら情報を開示するかどうかにかかっていました。 例えば、銀行支店などがわからない場合、どこの支店か予測して差し押さえの申し立てをするしかありませんでした。林弁護士は「相手の利用している銀行口座や勤務先を調査することは簡単ではなく、興信所などに頼むと多額の費用が掛かってしまいました」と言います。
「【朗報】令和2年4月1日より養育費を支払わず逃げた場合6ヶ月以下の懲役、50万円以下の罰金となります」。養育費に関するこんなツイートが約5万回リツイートされ、話題となっています。
これは2019年4月1日から、養育費を強制的に回収するときの民事執行の手続きを定める「改正民事執行法」が施行されることによるものです。
ツイートは、全くの間違いというわけではないのですが、養育費を払わなかった人が必ず罰せられるわけではありません。どのような条件があるのか、林正和弁護士の解説とともに、ポイントをまとめました。
養育費を支払わない人に対しては、「財産開示手続き」を行うことができます。これは相手を裁判所に呼び出して、自分の財産について開示してもらうものです。
これまでは、「財産開示手続き」を無視したり、虚偽の回答をしたりした場合、30万円以下の過料の行政罰に処せられることになっていましたが、改正法でこの制裁が強化され、6月以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰になります。刑事罰のため、前科となります。
これまでは30万以下の過料ということで、実効性に乏しく、利用実績も年間800件前後でした。林弁護士は「損得勘定だけで言えば、財産を隠し持っている人は、財産開示手続に応じず、そのまま隠し通した方が得だと感じてしまう」と指摘します。
今後はこの手続きを利用する人が増えるかもしれません。
ただ、養育費の支払いを求めるために財産開示手続きを利用するには、養育費について調停調書や判決、公正証書などで取り決めされている必要があります。
協議離婚がおよそ9割の日本では、養育費の取り決めについても、そもそもなかったり口約束であったりすることが大半。そのため、養育費を払わなかったからといって、刑事罰の対象になる例はあまり多くないとみられます。
他にも、「改正民事執行法」により、第三者から相手の財産に関する情報を取得する制度が新設されました。裁判所が相手の銀行口座や勤務先の情報を提供するよう命じるようになるため、財産を差し押さえやすくなります。
これまでの財産開示手続きでは、先ほども書いた通り、30万円以下の過料という制裁があったものの、相手が自ら情報を開示するかどうかにかかっていました。
例えば、銀行支店などがわからない場合、どこの支店か予測して差し押さえの申し立てをするしかありませんでした。林弁護士は「相手の利用している銀行口座や勤務先を調査することは簡単ではなく、興信所などに頼むと多額の費用が掛かってしまいました」と言います。