不正報酬など不祥事続く旭川医大、学長が謝罪「地域医療に多大な迷惑」

旭川医科大(北海道旭川市)は28日、医学部教授による不正報酬受給が相次いだことを巡り、初めて吉田晃敏学長らが記者会見し、「地域医療に多大な迷惑をかけた。誠に遺憾」と謝罪した。同大はホームページで処分を公表しただけで、公式の場で説明していなかった。
同大では2019年11月、医師を派遣した外部の医療機関から不正に多額の金銭を受け取っていたとして40代の男性教授が懲戒解雇処分となった。同大は会見で、この教授が11~19年に医師の派遣実績がないのに「待機名目」などで少なくとも12の医療機関から報酬を受け取っていたことを明らかにした。大学の顧問弁護士は「医師を派遣する優位な立場を利用し、極めて悪質」と述べたが、札幌地検特別刑事部が収賄容疑を視野に捜査中だとして、報酬額などは明らかにしなかった。
また、大学に無断で製薬会社などから報酬を受け取ったとして19年12月に停職12カ月の懲戒処分を受けた別の40代の男性教授について、報酬は少なくとも2000万円に上っていたことを明らかにした。妻が代表取締役を務める会社を設立し、講演料や原稿料などの名目で受け取っていたという。
吉田学長はこれまで会見をしていなかったことについて、「検察の捜査の妨げになるため対応できなかった」と釈明した。【山下智恵】