注文をまちがえる喫茶店、認知症の人が接客 客も「わくわく」 松山

認知症の人が接客する「注文をまちがえる喫茶店」が27日、松山市一番町3の萬翠荘(ばんすいそう)敷地内にある愛松亭「漱石珈琲店」で1日限定で開かれた。注文と違うデザートが運ばれてきても、客は「わくわくする」とにっこり。店内はあたたかい雰囲気に包まれた。
<見逃さないで「治るかもしれない認知症」>
松山市社会福祉協議会が初めて主催した。喫茶店は3部制で、福祉関係者ら約50人を招待。県内の施設や病院を利用する70~80代の認知症の男女5人が店員になり、ケーキ4種類と飲み物を提供した。
店員は「ごゆっくりどうぞ」「お味はどうですか」と客に話しかけながら接客。チョコケーキを頼んで、モンブランが運ばれてきた社会福祉士の藤本篤さん(44)は「和やかな気分になった。取り換えてくれたけど、モンブランでも良かったな。まあ、いっかという気持ちになる」と笑顔。店員の戸井酉枝(とりえ)さん(89)は「緊張したけど、客の楽しそうな顔が見れてうれしくて、楽しかった」と満足そうだった。【花澤葵】