大学入試センター試験に代わって2020年度に始まる大学入学共通テストについて、国語と数学の記述式問題の導入見送りに伴い、文部科学省は29日、新たな実施大綱を発表した。昨年6月に発表した実施大綱では国語の試験時間は100分だったが80分に短縮した。数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aは70分のまま変更がなかった。
大学入試センターの担当者は国語の試験時間の短縮について「三つの小問でつくる記述式問題の大問がなくなったため」と説明した。一方、数学に関しては「問題の全体的な分量が変わらないので70分が適当。試行調査も70分で実施しており、変更すると受験生が混乱する恐れがある」と話した。センター試験と比べると、国語の試験時間は同じで、数学は10分長くなる。英語はリスニングの配点比率が高くなる。
大学入試センターが29日に発表した共通テストの問題作成方針によると、思考力などを重視し、教科書で扱われていない初見の資料を基に基礎的な知識を活用して考察させるような問題などが予想される。
石原賢一・駿台教育研究所進学情報事業部長は試験時間の見直しについて「妥当だ」と評価した。問題の内容については「試行調査や18、19日にあった最後のセンター試験の出題をみると、しっかりと課題文を読まないと解けない問題が増えている。記述式問題がなくなったからといって、従来型の『パターン学習』をするのでなく、基本的知識をもとに未知の問題を解く力を磨かなければならない」と指摘する。
共通テストは記述式問題の見送りが決まる前の17年11月、18年11月に2度の試行調査を実施しているが、今後は予定していない。初めて受験することになる東京都内の私立高2年の男子生徒(17)は「これまでの試行調査は記述式問題のあるものだった。改めて試行調査もしないようなので、内容がどのように変わるのかわからず不安だ」と話した。【水戸健一、成田有佳】