「大沼」破綻 連鎖倒産防止へ 県と山形市、国へ支援制度要請

山形市の百貨店「大沼」の経営破綻を受け、県と同市は28日、連鎖倒産を防ぐために中小企業の資金繰りを支援する「セーフティネット保証制度」の適用を政府に要請すると発表した。経営安定に必要な運転資金を年利1・6%で8000万円以内を貸し付ける県商工業振興資金融資制度も適用する。【的野暁】
県は解雇された従業員の再就職支援のための相談窓口を県雇用対策課に、取引先などの相談窓口を県中小企業振興課に設置し、4総合支庁の地域産業経済課でも受け付ける。
市は30日午後1時半から、ハローワーク山形と共催で従業員向けの再就職支援説明会を山形ビッグウイング(同市平久保)で開く。既存テナント向けには、山形エリアマネジメント協議会(同市本町2)が相談窓口を設置し、中心市街地の空き店舗情報の提供や出店サポートをする。
28日の定例記者会見で吉村美栄子知事は「突然の閉店の発表は誠に残念。私自身、大沼のファンで小学生の頃は屋上の遊園地で遊び、今月も3、4回(買い物に)行った」と話し、「山形市、商工会議所と連携しながら支援を検討したい」と述べた。
従業員「家賃払えない」 労組、行政支援求める
大沼の破綻について、UAゼンセン県支部と大沼労働組合は28日、「破産申請後、従業員からは家賃が支払えないといった声が多数寄せられている」として、解雇された従業員の再就職の早期実現▽失業給付の速やかな受給▽未払い賃金や退職金など労働債権確保――に向けて全力を尽くし、行政への支援を求めると表明した。
労働債権の支払いについては、会社から誠意ある回答がなかったとして、「320年続いた老舗百貨店の幕引きとしては非常に遺憾」と批判した。