「立体型」が人気、空港薬局でマスク売り上げ急増…中国人客が大量買い

中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎が世界的に拡大し、政府は政令で「指定感染症」とした。
日本の空の玄関・成田空港では感染への警戒が高まっており、スタッフたちはマスクを着用。周辺のホテルで中国人客の宿泊予約のキャンセルが相次ぐなど、影響が広がっている。(小杉千尋、佐々木拓)
成田空港内の薬局などでは、中国人旅行客が土産として大量買いしている影響から、マスクの売れ行きが急増。成田国際空港会社(NAA)によると、各店舗ではこの1週間で通常の5倍以上のマスクが売れている。顔に密着する立体型のマスクが人気だといい、在庫が間に合わず、「1人2点まで」と個数制限する店も出ている。
空港内のスタッフもマスク姿での接客が目立つ。日本航空は25日から、搭乗手続きなどを行う地上スタッフ全員にマスクの着用を義務づけた。同社広報は「印象は良くないが、安心してサービスを受けてもらうためには仕方がない」と話す。
成田空港―東京間のシャトルバスを運行する京成バス(千葉県市川市)は25日から運転手にマスクを配布。ポスターを車内に掲示して、マスク姿での対応について乗客に理解を求めている。武漢からの観光客を乗せたバスツアーの運転手が感染したこともあり、同社は「新たな対応を協議したい」と緊張感をにじませる。

成田空港近くの成田赤十字病院(成田市)は、「未知の病原体による感染症」と認定された新感染症にも対応できる全国4か所の「特定感染症指定医療機関」の一つ。疑わしい症例が出た場合は専用病棟で、患者を隔離した状態で専門的な治療を行える。
同病院は県や厚生労働省成田空港検疫所と連携して情報収集にあたっているという。担当者は「引き続き状況を注視して万全の態勢を整えたい」とする。
成田空港の入国者すべての検疫を行っている空港検疫所では、サーモグラフィーを使った体温検査など、水際での警戒を続ける。
厚労省は各航空会社を通じて24日から、体調不良の場合は医療機関を受診するよう呼びかける「健康カード」を、中国から日本へ向かう全便の機内などで配布している。

中国は25日の春節(旧正月)に合わせた連休で、例年なら日本へ多くの旅行客が訪れる時期だ。しかし、中国当局が新型肺炎の拡散防止で海外への団体旅行を禁止する措置をとったため、成田市内のホテルでも中国人団体客のキャンセルが相次ぐ。
「成田ビューホテル」は宿泊客の3割が外国人で、そのうち半数が中国人という。禁止措置が発表された後、中国人団体客は軒並みキャンセルとなった。
成田駅前の「成田U―シティホテル」では約50人の団体客が予約を取りやめた。成田ビューホテルの担当者は「2月いっぱいは客足が戻らないかもしれない」と懸念する。