架空請求詐欺に遭い損害を被ったとして、イタリアの人気ファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の日本法人が元社長を相手取って損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、約3億700万円を法人に支払うよう元社長に命じる判決を言い渡した。
判決によると、藤井勅光元社長は代表取締役だった2017年11月、イタリア本社の経理部長を装った英語の電子メールを受信した。株の売買に絡んで280万ドルが必要になったとする内容で、読んだ後にメールを消去するよう指示された。
元社長の部下は経理部長本人に直接問い合わせ、「メールを送信した事実はない」との回答を得て、元社長に報告した。しかし、元社長は「メールの記録を残したくないために部長はうそを言っている」と考え、日本法人の口座から、指定された中国の銀行口座に280万ドルを送金させた。送金後、元社長が経理部長に電話して詐欺だと発覚した。
江原健志裁判長は、元社長が送金前に経理部長に直接確認するなどの情報収集を怠ったと指摘。「部下が勝手に送金した」とする元社長の主張も「客観的な証拠と整合しない」として退けた。【巽賢司】