安倍首相、希望出生率「1.8」に意欲=検察官の定年延長、前例なし―衆院予算委

安倍晋三首相は3日の衆院予算委員会で、アベノミクス「新3本の矢」の一つである希望出生率1.8の実現を全世代型社会保障改革の柱と位置付け、今夏までにまとめる政府検討会議の最終報告に盛り込む考えを示した。公明党の石田祝稔政調会長への答弁。
首相は、希望出生率1.8について「今年度内を目途に策定を予定している新たな少子化社会対策大綱で目標実現に向けた道筋を示す」と表明。「全世代型社会保障検討会議の最終報告でも柱として位置付け、しっかり議論を進めていきたい」と語った。
希望出生率1.8の目標は、「名目GDP(国内総生産)600兆円」「介護離職ゼロ」と並び、首相が2020年代の達成を目指すとした「新3本の矢」の一つ。15年9月に打ち出していた。
また、首相は検討会議の最終報告に向け、75歳以上の医療費窓口負担について、現行の1割から2割に引き上げることを検討する考えを示した。
国民民主党の渡辺周副代表は、黒川弘務東京高検検事長の定年退官を国家公務員法の特例規定に基づき半年延長したことを「恣意(しい)的な人事」と問題視。森雅子法相は「重大かつ複雑、困難な事件の捜査・公判に対応するため不可欠」と説明した。検察官の定年延長は過去に例がないとも述べた。
立憲民主党の辻元清美幹事長代行は首相に、政治資金収支報告書を訂正して「桜を見る会」前夜祭について記載するよう迫った。首相は「集めた金額をそのままホテル側に渡しており、収支は発生していない。報告書に載せないのは当然だ」と拒否した。辻元氏が他の国会議員らも同様の対応をしていいのかとただすと、首相は「同じ形式であれば問題ない」と述べた。
[時事通信社]