大阪府寝屋川市で、精神疾患のある長女(当時33歳)を長年にわたって自宅内の小部屋に閉じ込め、2017年に凍死させたとして、監禁と保護責任者遺棄致死の罪に問われた父親の柿元泰孝(57)と、母親の由加里(55)の両被告に対する裁判員裁判の初公判が7日、大阪地裁(野口卓志裁判長)であった。両被告は「監禁するつもりはなく、命に関わる危険な状態とは思わなかった」と述べ、起訴内容を否認した。
検察側は冒頭陳述で、両被告が遅くとも07年から、長女の愛里さんを自宅内に作った小部屋に監禁していたと指摘。「娘に愛情を抱くことができず、粗雑な扱いをして衰弱死させた」と主張した。
小部屋は広さが1畳程度で窓がなく、二重扉や監視カメラ、簡易トイレが設置されていた。扉は施錠されて部屋から一度も出られず、入浴や歯磨きもできなかったため、発見時は歯が何本も抜け落ちていた。室内の設定温度は10度だったが、真冬も全裸で生活させられていたという。
食事は1日1回だけで、死亡時に身長145センチだった愛里さんの体重は19キロしかなかった。01年に精神疾患と診断されたが、02年を最後に診察を受けていなかったという。
一方、弁護側は、愛里さんが暴れて自らを傷つけるなどしたため、小部屋に入れたと反論。「監禁の意思はなく、療養の目的だった」と述べた。衣服を身につけていなかったのは愛里さんが嫌がったためだとして、死因も凍死ではない可能性があると訴えた。
起訴状によると、両被告は07年3月ごろから愛里さんを小部屋に監禁。十分な食事を与えず、17年12月18日ごろに低栄養の状態で凍死させたとされる。この日、愛里さんが動かないのに両被告が気付き、同23日に自首した。【戸上文恵、村松洋】