マレーシア人らの詐欺組織が、偽造クレジットカードを使って日本国内で大量の商品を不正購入したとされる詐欺事件を受け、大阪府警は10日、マレーシアに捜査員を派遣した。この組織が同国のリゾート地・ペナン島を拠点に、詐取した商品を売りさばいていた疑いがある。府警は現地の警察当局に捜査協力を要請。今後、現地当局が実態解明に向けた捜査を引き継ぐとみられるが、海外の捜査機関が詐欺拠点の捜査に乗り出すのは異例だという。
捜査関係者によると、この組織は大阪市東成区と東京都新宿区のマンション一室にカードの偽造工場を構え、来日したマレーシア人らが偽造カードで化粧品や高級ブランド品などを大量購入。マレーシアに商品を持ち帰り、売りさばいていたとみられる。
府警などは既に、リーダー格のウー・チー・マン被告(35)ら計23人を詐欺などの容疑で逮捕した。ウー被告らは、偽造用のカード原板や機器をインターネットで購入し、中国製の通信アプリ「ウィーチャット」でマレーシアにいる組織の幹部から指示を受けたとみられる形跡が見つかった。
ペナン島は、首都・クアラルンプールから北西に約300キロ離れたリゾート地で、詐欺組織のメンバーの多くがこの島の出身だった。島内にある拠点から指示を受けていた疑いがある。府警は近く、マレーシアの国家警察やペナン島を管轄する州警察と捜査会議を開き、捜査協力を要請。情報共有を進めながら、組織の実態解明を目指す。
警察庁によると、カード偽造に絡んでマレーシア人が2018年中に逮捕された事件は180件あり、19年上半期も46件が確認されている。【安元久美子】