【東京五輪 社会学】6月から国立競技場周辺に進入禁止エリア…圏内外で泣き笑いドラマある!?

東京五輪開幕前からパラリンピック閉幕後まで(6月~9月)、テロ対策のため競技会場や選手村周辺は関係者以外進入禁止エリアになる。基本的に住宅や店舗を避けて設定されるが、メイン会場の国立競技場周辺では人気ハンバーガー店「シェイクシャック外苑いちょう並木店」がギリギリ圏内に。一方、千駄ケ谷のシンボルともいえるラーメン店「ホープ軒」は紙一重で圏外となった。(北野 新太)
大会期間中、競技会場の周辺は高さ約3メートルものフェンスに覆われ、関係者以外は入れない進入禁止エリア(セキュアペリメーター)になる。
国立競技場周辺には、多数の飲食店が軒を連ねている。進入禁止エリアはそれを巧妙に避けて設定されたが、圏内全域を歩いて調査したところ、境界線上に唯一の例外があった。南東端に位置する「シェイクシャック外苑いちょう並木店」がギリギリで圏内に入っていた。
詳細について、国内運営会社の広報担当者は「遠慮させていただきたく存じます」と回答を控えたが、都の大会施設部輸送課の担当者は「シェイクシャックの店舗が圏内に入っているのは事実です。現在、組織委員会と米国の本社で期間中の営業などについて協議しています」と明かした。
進入禁止エリアに入ったことで、期間中は休業を余儀なくされる可能性も。営業を続けた場合も、普段通りとはいかなくなる。しかし影響はマイナスだけとは限らない。エリア内での営業は可能。一部観客や関係者、選手の人気スポットになる可能性もある。
一方、エリア西端の外苑西通りを隔てて、ギリギリ圏外だったのは千駄ケ谷のシンボルといっていいラーメン店「ホープ軒」。創業者で現在も店を率いる牛久保英昭さん(80)は「期間中はできる限り営業しますけど、正直不安です。交通規制もあるし、現状の(車両)動線は当初計画より悪くて、近いのに何度も迂回(うかい)しなくてはいけなくなってます」と懸念を口にする。タクシー運転手が営業の合間に寄る店としても知られるだけに、圏外でも影響は免れない。
牛久保さんは地元「千駄ケ谷大通り商店街振興組合」の理事長も務める。地域の店舗を代表する立場として「進入禁止エリアについては今のところ組織委からも誰からも何の説明もありません。いつもと同じように生活も営業もできないけど、みんな不満を抱えながらも事故なく無事に開催されることを祈ってます」と語りながら、最後は「やはり目の前で開かれるわけですから、感動するドラマが生まれたらと思いますし、世界中のお客さんにラーメンを食べてほしいです」と願っていた。
◆シェイクシャック 2001年に米ニューヨークでホットドッグカートでの営業を始める。04年に店舗営業をスタートさせ、15年に日本上陸。1号店「外苑いちょう並木店」の行列が話題に。定番のシャックバーガーは680円。現在、国内14店舗を展開中。
◆ホープ軒 牛久保英昭さんが1960年に都内で屋台での営業を始める。背脂が浮かんだ独自のスープで人気となり、75年に千駄ケ谷で店舗営業をスタート。修業した弟子から多くの人気店が生まれた。ラーメン800円。年中無休で24時間営業。
◆会場周辺規制
▼高校封鎖 近隣の私立国学院高、都立青山高は五輪期間(7月24日~8月9日)に封鎖。敷地内は駐車場、警視庁警察官の待機場などに活用される。一部生徒は行事として五輪陸上競技を観戦。青山高は期間中の夏季講習は都立六本木高で、また野球部は都立日比谷高で練習する。
▼主要会場で 進入禁止エリアは国立競技場周辺だけでなく主要な会場で。重量挙げ会場「東京国際フォーラム」にも「シェイクシャック」店舗がある。
▼他のエリアも 進入禁止エリアより広範囲の通行規制エリア、迂回エリア(トラフィックペリメーター)も設け、通り抜けの車両を制限する。