紋別アイヌ協会の畠山敏会長(77)が、サケ漁は先住民の権利として北海道の許可を得ずに川でサケ漁をしたとして、北海道が道警に刑事告発した問題で、畠山さんや支援する識者らが15日、札幌市内で記者会見し、先住権の保障を訴えた。
畠山さんは「サケ漁は先祖が延々と続けてきたもの。アイヌを先住民と認めたのであれば、国は土地や資源の返還・補償を真剣に考えてほしい」と語った。
畠山さんを支援する丸山博・室蘭工大名誉教授は「先住民の漁業権は国際法で保障されている。政府は権利回復の立法化を急ぐべきだが、議論にもなっていない。畠山さんの行動はやむを得ない問題提起だ」と話した。
畠山さんは1日、紋別市内の藻別川で道の許可を得ずにサケを捕獲。道は同日、水産資源保護法と道内水面漁業調整規則に違反したとして道警に刑事告発した。【山下智恵】