「明日破産します」老舗デパートが閉店…そんな時、従業員はどうなる?

山形市で創業320年の老舗デパート「大沼山形本店」が1月27日、山形地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始が決定したと報じられている。朝日新聞電子版(1月28日付)の報道によれば、デパート内の店舗で働く人に対しては従業員から「明日破産します」と伝えられたとのことだ。気になるのは、従業員の処遇だ。これについて、山形新聞は電子版(2月1日付)で、吉村美栄子知事が「突然解雇された従業員や家族の生活が安定するよう経済団体の支援と協力をお願いしたい」と県内の経済団体に要請したと報じている。 勤務先が破産の申立てた場合、従業員たちはどんな処遇となるのか。山田長正弁護士に聞いた。 ●破産の申立てをする際「全従業員を解雇するのが通例」 ーー今回のように会社が破産の申立てをした場合、従業員を解雇するのは通常なのか 会社が破産の申立てをする際は、社内の混乱を避けるため、申立て直前もしくは申立てと同時に全従業員を解雇するのが通例です。 労働基準法上、従業員を解雇するには少なくとも30日前に予告するか、それに代わる解雇予告手当を支払わなければなりません。 しかし、解雇予告手当を支払うだけの資力が破産会社に無い場合、従業員は破産した会社に対して解雇予告手当分の債権を有することになりますので、破産手続において債権者として扱われることになりますが、この場合回収は難しいことが多いでしょう。 ーー未払賃金については、回収することはできないのか 会社に対して未払賃金が存在する場合は、元従業員の生活保障のために、独立行政法人労働者健康福祉機構の未払賃金の立替払制度を利用することができます。 本制度は、未払賃金の8割まで立替払いを受けることができ、残り2割の賃金は元従業員の労働債権として残ります。 未払賃金は、いわゆる「額面額」で計算し、対象者は、破産手続開始等の申立て日の6カ月前の日から2年の間に破産会社を退職した者で、アルバイトも本制度対象者となります。 ーー立替払制度では、どの範囲の未払賃金が保障されるのか 立替払いされる範囲としては、退職日の6カ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している未払賃金です。給与、退職金は本制度の対象となりますが、解雇予告手当、賞与、その他臨時に支払われる賃金、役員報酬は対象外となります。 また、元従業員の年齢に応じて立替払額に上限が定められていることや、未払額が2万円以下の場合、本制度の利用ができないといった点も注意が必要です。 ●「整理解雇」の有効性は争える?
山形市で創業320年の老舗デパート「大沼山形本店」が1月27日、山形地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始が決定したと報じられている。朝日新聞電子版(1月28日付)の報道によれば、デパート内の店舗で働く人に対しては従業員から「明日破産します」と伝えられたとのことだ。気になるのは、従業員の処遇だ。これについて、山形新聞は電子版(2月1日付)で、吉村美栄子知事が「突然解雇された従業員や家族の生活が安定するよう経済団体の支援と協力をお願いしたい」と県内の経済団体に要請したと報じている。
勤務先が破産の申立てた場合、従業員たちはどんな処遇となるのか。山田長正弁護士に聞いた。
ーー今回のように会社が破産の申立てをした場合、従業員を解雇するのは通常なのか
会社が破産の申立てをする際は、社内の混乱を避けるため、申立て直前もしくは申立てと同時に全従業員を解雇するのが通例です。
労働基準法上、従業員を解雇するには少なくとも30日前に予告するか、それに代わる解雇予告手当を支払わなければなりません。
しかし、解雇予告手当を支払うだけの資力が破産会社に無い場合、従業員は破産した会社に対して解雇予告手当分の債権を有することになりますので、破産手続において債権者として扱われることになりますが、この場合回収は難しいことが多いでしょう。
ーー未払賃金については、回収することはできないのか
会社に対して未払賃金が存在する場合は、元従業員の生活保障のために、独立行政法人労働者健康福祉機構の未払賃金の立替払制度を利用することができます。
本制度は、未払賃金の8割まで立替払いを受けることができ、残り2割の賃金は元従業員の労働債権として残ります。
未払賃金は、いわゆる「額面額」で計算し、対象者は、破産手続開始等の申立て日の6カ月前の日から2年の間に破産会社を退職した者で、アルバイトも本制度対象者となります。
ーー立替払制度では、どの範囲の未払賃金が保障されるのか
立替払いされる範囲としては、退職日の6カ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している未払賃金です。給与、退職金は本制度の対象となりますが、解雇予告手当、賞与、その他臨時に支払われる賃金、役員報酬は対象外となります。
また、元従業員の年齢に応じて立替払額に上限が定められていることや、未払額が2万円以下の場合、本制度の利用ができないといった点も注意が必要です。