神戸市中央区の市こども家庭センター(児童相談所)が10日未明、保護を求めてきた小学6年の女児(12)とインターホン越しに数秒ほどやり取りしただけで、追い返していたことがわかった。
対応したのは、市から夜間業務の委託を受けたNPO法人の職員で、市は19日、記者会見で謝罪し、NPO法人に口頭注意したと明らかにした。
センターによると、女児は神戸市内在住。10日午前3時30分頃、センターの夜間対応用のインターホンを鳴らし、「親に家から閉め出された」と訴えた。対応したのは、NPO法人「社会還元センターグループわ」(神戸市北区)の男性職員で、インターホン越しに「警察に行って」と告げ、名前や年齢、状況などを聞き取らずに数秒で対応を打ち切った。
女児はその後、近くの交番に行き、警察から通告を受けたセンターが午前5時半頃、女児を保護した。
市は2005年度から、夜間の窓口業務をNPO法人に委託。マニュアルでは、子どもが保護を求めてきた場合、正規職員の判断を仰ぐことを定めていた。NPO法人の職員は「モニターでは高校生に見え、話の内容も深刻そうに思えなかった」と話したという。
記者会見した市家庭支援課は「非常に不適切で女児に申し訳ない。同様のことが起こらないようにしていきたい」とした。
NPO法人の大槻隆文理事長(72)は19日、「助けを求められたにもかかわらず、このような対応をし、女児に申し訳ない」と話した。
厚生労働省によると、昨年4月時点で、児童相談所を設置する全国70自治体のうち、7割にあたる49自治体が業務の一部を民間委託する。委託が進む背景には、児相の取扱件数の急増があるという。