12歳女児を門前払い 午前3時半に放置した神戸児相「3つの怠慢」

「家庭で揉め事があり、母親から『出て行け』と言われ、家から追い出されました」

さぞかし不安だったに違いない。日中は買い物客や観光客で賑わう神戸ハーバーランドだが、深夜ともなると街灯の明かりだけで辺りは暗く、人けはほとんどない。10日午前3時25分、いきなりそんなところに放り出された12歳の小6女児は行くアテもなく、頼れる大人もおらず、近くにあった児童相談所「神戸市こども家庭センター」に救いを求めた。

「ピンポーン」

女児はこれまで家庭センターを訪れたことはなく、勇気を振り絞ってインターホンを鳴らした。しかし、画面越しに女児の顔を見た高齢の男性相談員は「事情」を聴こうともせず、「警察に相談しなさい」と言い放ち、女児を追い返した。

行き場を失った女児は徒歩5分ほどのハーバーランド交番を訪れ、「児童相談所に行ったのですが、『警察に行け』と言われました」と状況を説明。時間は深夜3時40分だった。女児から話を聴いた兵庫県警生田署員は「親からの虐待があった」と判断し、児相に通告。署員が再び女児を家庭センターまで連れて行き、午前5時38分、ようやく保護された。

「すぐに保護できたからよかったものの、事件や事故に巻き込まれる可能性もあった。そんな時間に女の子が1人でやってきてるんやから、何らかの事情があるに決まっとる。保護するのが当たり前や」(捜査事情通)

■1週間以上も隠蔽

それを児相は拒絶したのだから、まさに言語道断。しかも相談員は「見た目が大人っぽかったので緊急性を感じなかった。高校生に見え、内容も深刻そうに思えなかった」と言い訳しているそうだが、話を聴きもせず、何を勝手に判断しているのか。

児相の「不手際」はこれだけではなかった。

この相談員は市から委託されたNPO法人の職員で、そもそも判断できる立場になく、一時保護が必要な場合は、たとえ夜間であっても市の管理職に連絡を取り、対応などの指示を仰がなければならない。さらに児相は女児を一時保護したにもかかわらず、その対応を含め、1週間以上、神戸市の家庭支援課への報告を怠っていた。本庁の職員が一連の事態を把握したのは、報道機関から問い合わせがあった18日午後のこと。児相はそれまでずっと「不適切な対応」を隠蔽していた。

児童を守るべき「相談所」がこれでは、存在する意味がない。