「激辛カレーの会」と称し無理やり・前校長は「プチヒトラー」…教諭いじめで報告書

神戸市立東須磨小学校の教諭4人が同僚の男性教諭(25)らにいじめを繰り返していた問題で、市教育委員会の外部調査委員会が21日に提出した調査報告書は「いじめを防ぐ立場の教育者間で起きたことは極めて重い」と、加害教諭と学校側を厳しく批判した。
■激辛カレーの会

「(加害教諭は)悪意がないと弁明しているが、ふざけていたでは済まされない。本当に子供がやるようなことだ」
21日午後、問題を昨年10月から調べてきた外部調査委の委員長の渡辺徹弁護士(大阪弁護士会)は記者会見で、男性教諭に103件にも及ぶハラスメント(嫌がらせ)行為を行っていた加害教諭4人を非難した。
このうち、30歳代の教諭は、被害教諭が2017年4月に赴任後、「くず」「カス」などと言い始め、18年度以降は、「激辛カレーの会」と称して、激辛カレーを無理やり食べさせて顔や体に塗ったり、足蹴りや体当たりをしたりして、いじめを激化させ、日常的に暴言や暴行を繰り返した。
この教諭は、最多の78件の嫌がらせ行為に及んでおり、調査委に「(被害教諭を)びっくりさせたかった」と動機を説明。ほかの3人の加害教諭も「悪意はなかった」と弁明した。
被害教諭は、加害教諭に嫌われると学校で仕事ができなくなるとの恐怖感もあり、我慢を続けたという。
調査委は、こうした関係を子供同士の「いじめ」と同じ構造として、「弱い者を『いじる』ことで笑いを取るいじめの心理が、驚くべきことに、子供に教えるべき立場の教員間で築かれていた」と指摘した。
■プチヒトラー

渡辺委員長は会見で「被害教諭が、誰にも相談できない環境だったことがハラスメントをエスカレートさせた」と述べ、学校、市教委側の体質にも言及した。
被害教諭が着任後、校長は1年ごとに代わり、3人の校長が問題に関わった。
報告書によると、着任1年目当時の校長は、職員室から離れた校長室で執務し、職員間のことは教頭任せ。
次の校長は高圧的な態度から「プチヒトラー」とも評され、調査では2件の嫌がらせ行為が認定された。被害教諭が教員らの懇親会を欠席すると答えた際、「俺のメンツを潰すっていうことや」とすごむなどしたという。
3人目となる現校長は、被害教諭から相談を受けた際、「報復が怖いから(加害教諭に)言わないで」と頼まれたにもかかわらず、不用意に加害教諭らに「指導」を行い、結果的に嫌がらせ行為の激化を招いた。
一方、教員異動に校長の意向が強く働く「神戸方式」と呼ばれる神戸市教委独自の人事制度が今回の問題に及ぼした影響について、調査委は「遠因まで追求すれば無関係ではないかもしれないが、(問題の)原因であるとまでは認定できなかった」とした。
職員室内では日常的に暴言や下ネタが飛び交う幼稚な職場だったとも言及し、渡辺委員長は、調査した感想をこう述べた。
「自分のことで手いっぱい、他のことには干渉したくないと考えている教員が実に多い。多忙で余裕のない教員の状況が、見て見ぬふり(放置)に寄与した部分もある」
報告書の提出を受けた市教委の後藤徹也・教育次長は会見で「神戸市の教育行政への信頼は完全に失墜した」と述べ、ハラスメント研修の強化などの再発防止策をとる考えを示した。