感染拡大で“いわれなき差別” 英国では暴行事件も

もはや、誰もがひとごとではないという状況。こうしたことへの恐れからなのでしょうか。実は今、「いわれなき差別」が起こっているということです。

先週、母とともにクルーズ船から下船した女性Aさん。Aさんと母はそれぞれの家に帰宅し、他の人に迷惑を掛けないようにとなるべく外出しないようにしています。自己隔離しているAさんですが、高齢の母の様子を見に家から5分の実家にだけは行きたいといいます。

下船したAさん:「母の家にだけは行きたいのですが、『見かけたら市役所に通報する』と言っている住民がいると聞き、ショックを受けました」

Aさんは「家から実家までの5分の道のりも怖い」と話しています。また、先週下船した70代女性Bさん。その息子によりますと、周囲の目が厳しく、自宅に帰れない状況だといいます。

下船した女性Bさんの息子(40代):「感染者を増やすということもありますし、自分がウイルスを持ってきたとか言われるのも嫌なのでしょうね。うがった目とか偏った判断をしないようにお願いしたい」

いわれなき差別はなんと、医療関係者にまで向けられているというのです。災害時の医療に携わる医師や看護師、救急隊員など医療関係者で作る学会が今回、クルーズ船などで活動した医療関係者たちへの不当な行為について抗議声明を出しました。「職場において、『バイ菌』扱いされるなどのいじめ行為や、子どもの保育園・幼稚園から登園自粛を求められる事態」。

当事者たちからは、悲鳴に近い報告が寄せられているとしているのです。ある医療関係者によりますと、感染者の搬送を終え病院に戻ろうとしたら、「お前が感染源になる。病院に帰ってこないで」と言われたり、子どもがうつるといじめられた人も複数いたといいます。

一方で海外でもいわれなき差別が。地元メディアによりますと、イギリス・バーミンガムのバーで中国人女性が「コロナウイルスと一緒に家に帰れ」と暴言を吐かれ、暴行を受けたといいます。かばった友人女性も殴られ、脳震盪(しんとう)で一時意識を失ったそうです。

感染拡大の恐怖は、今や世界中に広がっているのです。海外メディアからは、日本のクルーズ船での対応に批判の声が上がっています。

記者:「ダイヤモンド・プリンセスでの隔離は完全な失敗ではないか?下船後に陽性になった人がいる」

地域医療機能推進機構・尾身茂理事長:「テストで陰性になった人たちでも『その人が感染していない。ウイルスがない』ということを保証するものではない」