日本音楽著作権協会(JASRAC)が全国の音楽教室からレッスンでの楽曲演奏について著作権使用料を徴収することは不当だとして、ヤマハ音楽振興会など約250の教室事業者が、同協会に請求権がないことの確認を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。佐藤達文裁判長はJASRAC側の主張を全面的に認め、教室への請求を正当と判断、原告側の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
著作権法は「公衆に聞かせるために演奏する権利」を保護対象としており、訴訟では(1)音楽教室の生徒が「公衆」に当たるか(2)技術向上のためのレッスンが「聞かせる目的」での演奏と言えるか―が主な争点だった。
佐藤裁判長は「音楽教室では、受講契約を結べば誰でもレッスンを受けられ、受講した生徒は多数存在する」と指摘し、「生徒は不特定かつ多数の公衆に該当する」と判断。原告側の「特定の少人数を相手にレッスンしている」などとする主張を退けた。
その上で、生徒向けの実演などが「聞かせる目的の演奏」に当たるかを検討。原告側は「著作権法で問題となるのはコンサートなどで聞き手に感動を与える演奏。レッスンの目的は技術の伝達や確認」と訴えたが、判決は「外形的、客観的に他人に聞かせる意思があれば足りる」と述べ、音楽教室の演奏でも使用料が発生すると結論付けた。
判決後、取材に応じたヤマハ音楽振興会の大池真人常務理事は「大変残念で遺憾。判決文をしっかり読んだ上で、恐らく控訴する」と述べた。
JASRACの世古和博常務理事は「これまでの著作権管理業務で培った判断が全面的に認められた。事業者の理解が得られるよう取り組みを進め、業界の発展に努めていく」と話した。
[時事通信社]