鳥取県米子市の米子医療生活協同組合は3日、トイレットペーパーが不足するという間違った情報をSNSで拡散した投稿者の1人が同組合の職員だったとホームページで明かし「ご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。「職員には厳正な対応を検討する」という。SNSでは、この職員のものとされる個人情報が出回っており、ネットリンチ(私刑)を心配する声があがっている。
先月27日、新型コロナウイルスの感染拡大によって中国がトイレットペーパーの生産をしていないので品薄状態になる前に購入したほうがいいなどと、根拠が不確かな情報がツイッターに書き込まれた。同時期からトイレットペーパーの買い占めが全国的な問題になり、安倍晋三首相が「トイレットペーパーはほぼ全量が国内生産」と説明し、業界団体の日本家庭紙工業会が「品切れにはならない」と消費者に冷静な対応を呼びかける事態にまで発展した。
ネット空間には品不足を予測する不確かな書き込みがあり、このうち、当該職員はニックネームのアカウントから投稿していたが、ネットユーザーらの“捜査”によって同職員の存在が浮上。この人物がデマを書き込んだのではないかという情報が出回っていた。
ネットで拡散された個人情報は、この職員のものとされる実名、顔写真、大まかな年齢、携帯電話の番号、職歴や学歴など。中国とトイレットペーパー不足を絡めた誤情報は以前からあったが、デマに加担した代償は大きかったようだ。ツイッターでは「責任をとれ」などと厳しく非難するコメントや「自業自得だ」と突き放すコメントが飛び交う一方で、「個人情報拡散はやりすぎだ」「感情的には罰してほしいが…」などと個人を吊し上げて攻撃するネットリンチが過熱するのを危惧する声もある。
職員のものとされる個人情報には真偽がはっきりしないものもあり、デマがデマを生んでしまう恐れがある。また、相手の同意を得ずに個人情報を拡散したり、中傷したりすることが問題になることも考えられる。デマ投稿者への感情的な“個人叩き”に加担して、自分自身が加害者になってしまわないよう呼びかけるネットユーザーもいた。