■--社会に劇薬投入して働き方を変えざるを得ない状況に--
いやぁ、ひっくり返りました! 安倍晋三首相が先週木曜、全国すべての小中学校、高校、特別支援学校を3月2日から臨時休校にするよう要請する考えを示したニュースです。
私、5歳の子供を抱えていまして、保育園に通わせています。今回の要請に保育園や学童保育は含まれないということなので、当座いきなり保育園が閉まることはなさそうですが、速報を見た瞬間は「あっ! 詰んだ…。来週からどうしよう」と思いました。
実際、小学校以上のお子さんがいて、今週から子供をどう過ごさせようか悩んでいらっしゃる方も多いですよね。平日朝6時~8時に担当している番組『OK!Cozy up!』にも沢山のご意見をいただきました。
「急には休めないよ!」という親御さんからのメールも多数あり、特にパートや派遣といった非正規雇用の方は仕事に行かなければ給料も出ませんから途方に暮れています。
以前、地域医療を担う医師から「休みづらい会社や、行かなければ給料が出なかったりで無理して仕事に出ることが感染症の蔓延(まんえん)につながるのではないか?」という危惧を聞いたのを思い出しました。彼は「休業補償などの対策を政府が打たなければ、無理して会社に出てしまう人は後を絶たない」と指摘していました。
今回の臨時休校の要請も、それに伴う休業補償などに財政措置を取らなくては社会不安ばかりが募ってしまいます。2019年度予算の予備費が2700億円ほどあるはずですから、中小企業の資金繰り支援などと合わせて即座に実施すべきと思います。
この臨時休校要請の理由について、安倍首相は「子供の命を最優先に」と表明しましたが、今回の新型コロナウイルスは高齢者ほどリスクが高く、子供はかかってもほとんどが軽症で済むと専門家は認めています。
それゆえ、「なぜ高齢者対策じゃないんだ!」「無策のアベがやりやすいパフォーマンスをしたに過ぎない!」との批判が噴出しました。
確かにそうなんですが、批判が出るのは分かり切っている学校の臨時休校をなぜ選んだのでしょうか?
一つ思うのは、「これ、子供を持つ親世代、現役で働く世代がメインターゲットだったのではないか?」ということ。いかにテレワークや時差通勤を推奨しても、朝夕のラッシュは続いています。日本社会は安定していることが強みの一つですが、安定しているということは、おいそれとは変われないということ。
ここは社会に劇薬であっても、働き方が変わらざるを得ない施策を打ってきたとも思えます。
いずれにせよ、休業補償と、医療関係者など働きに出なければならない人たちへのバックアップ構築は並行して急ぐべきです。
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!COZY UP!」(月~金曜朝6-8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。