マイケル被告に実刑判決 コロンビア出身、特殊詐欺関与「未必の故意」認定

高齢者から現金をだまし取る特殊詐欺に関与したとして詐欺罪などに問われたコロンビア国籍のマイケル被告(26)に対し、東京地裁(野沢晃一裁判官)は5日、懲役4年4月(求刑・5年6月)の実刑判決を言い渡した。被告側は「特殊詐欺を認識しておらず、書類を運ぶ仕事と思い込んでいた」と執行猶予付き判決を求めたが、判決は「当初から(詐欺かもしれないという)『未必の故意』があった」と認定した。被告側は判決後、控訴する方針を明らかにした。
裁判では、幼くして来日したものの学校で日本語を学んだ経験がほとんどなく、日本人の知り合いもいないとする被告が、特殊詐欺という犯罪を理解していたかどうかが争点となった。
判決は、外国籍の知人を介して被告に特殊詐欺を持ちかけた日本人の男=懲役3年、執行猶予5年の1審判決が確定=が「当初から詐欺の受け子だと説明していた」と供述した点について、「(自身の)情状をよくするため、被告を脅していたことや詐欺であることを隠して説明したことを、偽ろうとしたとも考えられる」と指摘。その上で「(男の)供述に信用性はなく、詐欺と説明した事実は認められない」と被告側の主張を一部認めた。
一方で、男が大麻を扱っていることを知っていたことや、1回3万円の報酬の受け渡し場所が路上だったりしたことにも言及。「(状況から)何らかの違法行為に関わる仕事と認識していた。高齢者から現金を受け取る仕事であれば、(高齢者が)だまされているのではと考える知識はあり、詐欺の可能性があると想像していたと推認される」と未必の故意があったと認めた。
閉廷後、被告は収監された。代理人の弁護士は「詐欺という説明を受けていなかったことを認定したにもかかわらず、漠然とあやしい点があったから詐欺と分かっていたはずという結論ありきの判決だ。被告の日本語能力などを踏まえれば、詐欺の認識があったとは考えにくい」と話し、控訴の意向を示した。
判決によると、被告は内妻らと共謀し2018年7~9月、高齢者8人(1人は未遂)から現金計約1500万円をだまし取った詐欺事件に関与した。
被告は小学5年生で来日したが、漢字の読み書きができないなど日本語能力に課題があった。検察は「特殊詐欺の横行は(新聞やテレビで報道されており)公知の事実」と厳罰を求めたが、弁護側は「学力は中学レベル。社会に溶け込んでいるとは言えず、ニュースも見ていなかった」と主張していた。【堀智行】