「こんな時だからこそ行き場ない子に」子ども食堂、昼食付き預かり 新型コロナ休校で

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国的に「子ども食堂」の休止が相次ぐ。感染リスクを抑えるためだが、臨時休校を受けて「こんな時だからこそ困っている家庭の役に立ちたい」と、昼食付きで日中、子どもたちを預かる活動を始めたところもある。【太田敦子、細川貴代】
愛知県蟹江町で子ども食堂を運営するのは、子育て中の母親たちで作るボランティア団体「ONiGiRi(おにぎり)」。2018年に発足し、月1回の食堂と被災地支援を続けてきた。政府の休校要請を知り、代表の加藤裕子さん(40)が「行き場のない子どもたちが出てくる」と町内各地の公民館を使わせてもらえるよう急きょ頼み込み、2日から預かりを始めた。春休み前の23日まで、平日の週3日受け入れる。
預かりは午前8時ごろから午後4時まで。子どもたちはそれぞれ勉強したり遊んだりして過ごす。子ども食堂のノウハウを生かし、昼食は可能な限りみんなで調理して食べる。
団体のメンバーやボランティアがお互いに都合をつけて見守りをし、中学、高校生が手伝ってくれることもあるという。感染対策のため食事前や戸外から戻った際の手洗い、アルコール消毒を入念に指導するほか、何かあれば医療関係者のスタッフが対応する用意をしている。加藤さんは「学童保育や自主登校の対象にならない子もいるし、働く親に弁当作りは大変。少しでも役に立てれば」と話す。利用料は小中学生200円、高校生以上500円で、開始時刻は会場によって違う。詳しくは団体のフェイスブックで随時発信している。
認知症と診断された人が働く同県岡崎市の沖縄料理店「ちばる食堂」は2日から、沖縄そばを1日20食、子どもたちに無料で提供している。子どもの支援を考えていた店長の市川貴章さん(38)に資金や物資の寄付があり、14日まで続ける予定だ。
昼になると店に親子連れが訪れ、そばを食べたりゲームをしたりしてくつろぐ姿が見られた。初日は20食が約30分でなくなった。市川さんは「子どもは遊ぶ場所を失い、親たちも息抜きの時間がなくなった。ジュースはいつでも無料で提供しており、長くいてもらってかまわない。子どもたちにとって地域の居場所の一つになれば」と話す。
全国的には、やむを得ず休止をする子ども食堂が大半
全国的には、やむを得ず休止をする子ども食堂が大半だ。NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」によると、全国約3700カ所(昨年6月時点の把握数)のうち、8割以上が中止しているとみられるという。センターの湯浅誠理事長は「子ども食堂の開催を中止する代わりに、利用者に食料や弁当を提供するケースも多い。企業などがニーズの高いレトルト食品を必要な家庭に寄付するなど、社会で協力し合うことが望ましい」と話している。