2018年に経営破綻した通信販売会社「ケフィア事業振興会」(東京都)が不正に資金を集めていた事件で、警視庁生活経済課は10日、元代表の鏑木秀弥被告(84)=出資法(預かり金の禁止)違反で起訴=や元社員ら男女7人を詐欺容疑で再逮捕した。
再逮捕容疑は18年5~8月、経営が実質的に破綻状態に陥っていたにもかかわらず、実在しない事業資金などの名目で出資を募り、12都道県の男女22人から計約8360万円をだまし取ったとしている。鏑木容疑者は「うそのダイレクトメールで金を集めた。破産が頭をよぎっていた」などと供述しているという。
同課によると、同社は17年11月ごろには債務超過に陥っていたとみられる。鏑木容疑者らは18年5月ごろから破産準備を始める一方で会員から20億円以上を集め、同年9月に破産申請した。集めた出資金の一部は破産申し立ての費用にも使われた。
同社グループは00年3月~18年8月、高齢者ら約4万4100人に投資を呼び掛け、約2200億円の出資金を集めていたが、少なくとも約1000億円が返済不能に陥っている。1月にあった債権者集会では、返済に充てられる同社の資金は約18億円にとどまることが報告された。
鏑木容疑者らの再逮捕を受け、被害対策弁護団は10日夕、東京都千代田区で記者会見し、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で警視庁に告訴する方針を明かした。弁護団長の紀藤正樹弁護士は「商法自体が実態がなかった。組織的詐欺で摘発し、被害者を救済するための捜査をしてほしい」と述べた。
弁護団によると、鏑木容疑者らは破産申請の直前だった18年6~7月、会員にパンフレットを数日おきに送って新たな出資を促したり、返還の時期を迎えた出資金を別の事業に振り替えるよう要請したりしていたという。【金森崇之】