岩手県の三陸鉄道は14日、台風19号の影響で不通となっていた普代―久慈間(26・1キロ)で、運行を再開した。残る不通区間は釜石―陸中山田(28・9キロ)だけとなり、20日に163キロの全線が復旧する。
普代―久慈間は16カ所が被災した。特に陸中宇部―久慈間で線路の盛り土が崩壊するなどの被害があり、復旧に時間がかかった。
この日午前6時半ごろ、久慈駅ホームに列車が入ってくると、大漁旗を振った地元住民らが「お帰りなさい」と歓迎した。久慈広域観光協議会の貫牛(かんぎゅう)利一さん(58)は「昨年ようやく震災から復旧したと思った直後、台風に見舞われて残念でならなかった。列車が走る日常が戻ってうれしい」と笑顔だった。
三鉄によると、久慈市がNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となったことなどから、普代―久慈間は全線で団体客の利用が最も多いという。橋上和司旅客営業部長は「新型コロナウイルスの影響は客足にも少なからず出ている。こんな時だからこそ情報発信に力を入れ、地域に明るい話題を提供したい」と語った。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、20日の全線運行再開記念式典は中止となった。陸中山田駅での出発式と、釜石―陸中山田間の記念列車の運行は実施する予定。【三瓶杜萌】