博多の自転車店女性殺害 容疑者、とっさに接客か 常連に見られ「きょうは閉店」

福岡市博多区の自転車販売店で従業員の女性が4日夕方ごろに殺害された事件で、強盗殺人などの疑いで18日に逮捕された大阪市の男とみられる人物が4日夕方に店にいるところを常連客に見られ、客に「きょうは閉店する」という趣旨のうそを伝えていたことが、捜査関係者への取材で判明した。事件発覚を免れるためにとっさに店の関係者を装って接客したとみられ、福岡県警は殺害直後の状況を示す重要な目撃情報とみている。
逮捕されたのは大阪市住吉区遠里小野(おりおの)4、無職、佐々木達也容疑者(34)。容疑は4日夕方ごろ、博多区住吉2の自転車店に侵入し、従業員の小森寛子さん(42)=福岡市中央区薬院2=の首を手で絞めて窒息死させ、レジや金庫から現金約10万円を奪ったとしている。県警は19日、佐々木容疑者を送検した。
捜査関係者によると、4日午後5時半ごろ、常連客の男性が自転車のタイヤに空気を入れるため店を訪ねると、見た目が30代くらいの男がいた。通常の営業は午後9時までだが、男が「閉店する」との趣旨を伝えたため、客は引き返した。同店では見慣れない顔で小森さんの姿はなく、閉店するのに売り物の自転車が店頭に出されたままだったことなどを不審に感じたという。県警はこの男が佐々木容疑者だったとみて裏付け捜査を進める。
捜査関係者によると、佐々木容疑者は小森さんと面識がなかったとみられる。当初から金品を奪う目的で店に入り「騒がれたから殺した」という趣旨の供述をしている。現場周辺の防犯カメラなどで事件前に店周辺をうろつく姿が確認されており、小森さんが1人で接客する様子などを下見した可能性がある。
また、佐々木容疑者は殺害後、福岡市内の宿泊施設に数日滞在し、逮捕の数日前に大阪市の自宅に戻っていた。一方、連絡が取れなくなったとして知人が2月下旬に佐々木容疑者の捜索願を出していた。【柿崎誠、中里顕、浅野孝仁、一宮俊介】