「クジラは重かった」打ち上げられた雌 住民総出で救助、苦闘の末死ぬ

18日午前9時35分ごろ、静岡市清水区三保の砂浜でクジラが生きた状態で打ち上げられているのを住民が見つけた。通報を受けた清水海上保安部や消防、地元住民ら約30人がクジラを海に返そうと救助活動に取り組んだ。クジラは約4時間半かけて波打ち際まで運ばれたが、再び泳ぎ出すことなく死んだ。
クジラは体長6・7メートルで波打ち際から約5メートルの浜に打ち上げられていた。消防隊員らはクジラが傷つかないようにブルーシートを下に敷き、波が打ち寄せるタイミングで「せーの!」と声をかけてクジラを海に押し戻そうとした。浜辺では地元住民や子どもらが「頑張れー」とクジラに声をかけていた。
救助活動に参加した同区の会社員、手塚英孝さん(45)は「電話で知人に『クジラを救助しているから、手伝ってくれ』と言われて来た。意外と小さいけど、とても重かった。助かってほしかった」と話した。
清水海保から連絡を受けて駆け付けた東海大海洋学部(同区)の大泉宏教授によると、クジラはアカボウクジラの雌。駿河湾中央部の水深が深い海域に生息しているという。17日も近くの久能海岸で同種の雌の死骸が見つかったといい、大泉教授は「数年に1度は死骸が海岸に打ち上がることはあるが、生きたままは非常に珍しい」と話した。【池田由莉矢】