ブレーキとアクセルの踏み間違いで、2人の若い命が奪われ、6人が重軽傷を負った4月の神戸市営バスの事故。神戸地裁で18日に開かれた初公判で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)に問われた運転手歴33年のベテラン、大野二巳雄(ふみお)被告(64)は、事故の瞬間を「頭が真っ白だった」と振り返った。踏み間違いの原因を問われても「分かりません」とうつむいた。
「大変申し訳ありません」と起訴内容を認めた大野被告に対し、検察側は冒頭陳述で「時速約8キロで走行中にブレーキペダルと間違え、右足でアクセルペダルを踏んだ」と指摘。パニックに陥りながらパーキングブレーキを操作したが、止まらないため、その後もアクセルを強く踏み続けたと主張した。
被告人質問で、大野被告は「謝っても謝りきれない」と改めて謝罪。なぜ踏み間違えたのかとの質問には、言葉に詰まりながら「ブレーキを踏んだつもりだった」と述べるにとどまった。
証拠調べで、検察側は遺族や負傷者の供述調書を朗読。死亡した男性の祖母らが「運転のプロがこんな事故を起こしたことは許せない」と厳罰を求めていることを明らかにした。
事故は4月21日午後2時ごろ、神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で発生。停留所を発車した直後のバスが横断歩道上の歩行者を次々にはね、20代の男女2人を死亡させ、6人に重軽傷を負わせた。地検は6人分について起訴していた。【望月靖祥、黒詰拓也】