石川県能登町の山林で昨年10月、金沢市のガールズバー経営、喜多あき乃さん(当時30歳)が遺体で見つかった事件で、殺人と死体遺棄などの罪に問われた▽元風俗店経営、遠藤翼(29)▽元風俗店従業員、岡本充治(45)=ともに大阪市浪速区=ら4被告に対する裁判員裁判の判決公判が18日、金沢地裁(大村陽一裁判長)であった。
大村裁判長は「計画性が認められ、無防備な被害者の背後から首を絞め続けたもので執拗(しつよう)かつ残忍」と指摘。遠藤被告について喜多さんからたびたび叱責を受けていたことに同情の余地を認めつつ、「殺害を決意するにはあまりに飛躍している。共犯者に必要な指示を与え、首謀者として果たした役割は最も重い」として懲役17年(求刑・懲役20年)の実刑判決を言い渡した。また岡本被告が殺害と遺体遺棄を1人で実行したと認定。殺害に至る経緯や公判での受け答えなどから知的能力に一定の制約があることは払拭(ふっしょく)できないとしながらも「違法性の弁識に問題はなく、犯行を思いとどまることもできた」として同15年(同18年)を言い渡した。
2人とは別に殺人ほう助、死体遺棄ほう助の罪に問われた、ともに飲食店従業員で金沢市米泉町4、小杉義晴被告(23)に同10年(同10年)と同市藤江南1、佐藤祐樹被告(28)に同6年(同7年)を言い渡した。
遠藤、岡本両被告の弁護人は閉廷後の取材に、「控訴するかどうかは本人と相談して決める」と話した。岡本被告の弁護人は「医師の鑑定がない中、知的障害を評価してもらえたのは収穫」とも述べた。金沢地検の大口奈良恵次席検事は「おおむね適切な量刑がなされた」と話した。
判決などによると、遠藤、岡本両被告は共謀して昨年10月9日、金沢市の喜多さん宅玄関前で喜多さんの首をひもで絞めて殺害し、遺体を能登町の山林に遺棄した。小杉被告は殺害方法を遠藤被告らに提案。佐藤被告は遺体を運ぶ車を用意し、殺害当日に喜多さんを呼び出した。【井手千夏】