「自分が甘かった」広島・安芸太田町長が辞表提出 河井前法相から現金20万円

自民党の河井案里参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した2019年7月の参院選を巡り、夫の克行前法相(57)=衆院広島3区=から現金20万円を受け取った広島県安芸太田町の小坂真治町長(71)が7日、町議会議長に辞表を提出した。小坂町長は取材に「受け取るべきではない現金だった。自分が甘かった」と語った。
7日に開かれた町議会の全員協議会で現金の授受について説明。その後、報道陣の取材に応じ、広島地検の任意聴取を受けたことも明らかにした。「一日でも早い全容解明を望む」とし、克行氏に説明責任を果たすよう求めた。
小坂町長によると、案里氏が党公認を得た直後の19年4月ごろ、自宅を訪れた克行氏から白い封筒を渡された。広島選挙区(改選数2)では、自民が21年ぶりに2議席独占を狙い、現職候補(落選)と新人の案里氏を擁立。克行氏は「保守票を分ければ2人は通る」などと選挙に関わる話をしたという。
小坂町長は受け取りを拒否したが、押し問答の末に封筒を受け取った。その際は中身を確認しなかったが、広島地検が20年3月、公職選挙法違反(運動員買収)で案里氏の秘書らを起訴し、その他の買収疑惑も報じられたことから、最近になって封筒を確認。20万円が入っていたため、自身の政治団体への寄付として処理したという。
同町は克行氏の選挙区。小坂町長は同町副町長を経て08年の町長選で初当選し、16年に3選した。【池田一生】