元農相の玉沢徳一郎氏(82)を盛岡市の自宅で銃撃したとして、暴力行為法違反と銃刀法違反(加重所持)に問われた、高校の同級生で岩手県奥州市の農業、高橋脩(ひさし)被告(83)に対し、盛岡地裁(加藤亮裁判長)は7日、懲役5年(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。
加藤裁判長は「民事裁判で高橋被告が敗訴した金銭トラブルを発砲で威嚇して解決しようという、反社会的な動機に基づいた犯行」と指摘。弁護側は、自首したことなどを理由に執行猶予付きの判決を求めていたが、「複数回発射しており、地域社会にも多大な不安を抱かせた。悪質性は高く、責任は重い」と実刑を選択した。
判決などによると、高橋被告は2019年12月10日昼、以前選挙資金として捻出した1000万円の返却を玉沢氏に求めたが、断られて3発発砲。太ももなどに全治20日間のけがをさせた。
玉沢氏は判決後に取材に応じ、「社会に不安を与えるきっかけを作り、申し訳ない。高校時代からの仲間と、こんなことになって残念。罪を償い、更生してほしい」と語った。【山田豊】