香川大入学式 感染拡大地域滞在の新入生45人参加させず帰宅指示

香川大が3日に学部や大学院の研究科別に開いた入学式で、創造工学部が新入生のうち44人、工学研究科が新入生のうち1人を、過去14日以内に新型コロナウイルスの感染が拡大している7都府県に滞在したことを理由に参加させなかったことが明らかになった。香川大の広報室は「安全を考慮しての判断。新入生には納得してもらった」としているが、筧善行学長が直接、事情を説明することを検討している。
香川大は例年、六つの学部・研究科の新入生を講堂と多目的ホールに集めて入学式を開いているが、今年は五つのキャンパスで学部・研究科ごとに教室などで実施し、学長のビデオメッセージを上映した。新入生約1300人のうち330人が入った創造工学部は当日、受付で14日以内に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、兵庫の7都府県に滞在しなかったかどうかを尋ね、滞在したと答えた新入生にその場で帰宅するよう指示した。すでに会場に入って着席していた新入生は退場させた。98人が入った工学研究科も同様にした。
該当の新入生には入学式後のガイダンスで配る資料を手渡し、香川県に来た翌日から2週間、自宅待機するよう求めた。4日に全員に電話をし、改めて事情を説明したという。
香川大は1日、新入生全員を式に参加させる方針を全学で確認したが、創造工学部は1日夜、「新入生の数も多く、参加者から感染を心配する意見もあった」として、学部長の判断で7都府県に滞在した学生を参加させないことにした。資料を手渡す必要があったため、新入生へ事前の連絡はしなかったと説明している。【潟見雄大】