毎日新聞などが8日に実施した緊急世論調査の結果には、新型コロナウイルスの感染拡大に対する危機意識が国民の間に強まっていることが示された。東京など7都府県を対象に政府の緊急事態宣言が発令されたのを受け、外出やイベント参加を「これまでより自粛する」との回答が86%を占めた。「これまでと変わらない」は13%だった。
7都府県とその他の地域にわけて分析しても、「これまでより自粛する」は7都府県87%、その他85%と変わらない。感染拡大の度合いは地域によって差があっても、全国的に危機感や不安が広がっている。
対象地域を「もっと広げるべきだ」はその他の地域で63%と、7都府県の55%より多かった。
今回の調査は固定電話と携帯電話を組み合わせて行った。携帯の方で「新型コロナウイルスの感染拡大によって今、一番困っていること」を自由に記入してもらったところ、携帯回答者1144人の8割に当たる916人が書き込んだ。
そのうち170人が「マスク」、115人が「仕事」の不安を訴えた。「感染」「収入」「子供」などの書き込みも上位を占め、身近な生活に直結する不安の広がりをうかがわせた。
安倍晋三首相が緊急事態宣言を出したこと自体は評価するが、対応が遅いし物足りないというのが全体的な傾向だ。7割が宣言発令を評価しているのに内閣支持率は44%で、政権の評価を押し上げたとは言い難い。調査方法が異なるため単純に比較はできないが、毎日新聞が3月14、15日に実施した電話による全国世論調査では43%だった。
緊急経済対策の評価が低いことにもそうした不満が表れている。収入の減った世帯に限定した現金30万円給付への不満も強く、特に20~40代では「不十分だ」との回答が5割を超えた。
政党支持率は自民34%、立憲民主9%、日本維新の会5%、共産4%、公明3%、れいわ新選組3%、国民民主1%など。「支持政党はない」と答えた無党派層は36%だった。【大隈慎吾】
緊急世論調査 質問と回答
◆安倍内閣を支持しますか。
全 男 女 固 携
体 性 性 定 帯
支持する 44 46 42 44 44
支持しない 42 42 41 41 42
答えない 15 12 17 15 14
◆新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍首相が緊急事態宣言を発令しました。これを評価しますか。
評価する 72 71 74 71 73
評価しない 20 23 16 18 21
わからない 7 6 9 9 6
◆緊急事態宣言が発令された時期について、どう思いましたか。
妥当だ 22 24 19 23 21
遅すぎる 70 68 72 67 72
早すぎる 1 1 1 2 1
わからない 7 6 7 7 6
◆緊急事態宣言の対象は東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県です。これをどう思いましたか。
妥当だ 34 34 34 38 31
もっと広げるべきだ 58 60 57 52 64
もっと限定すべきだ 2 2 2 2 1
わからない 5 4 7 7 4
◆緊急事態宣言の期間は5月6日までとされています。期間を延長せずに緊急事態宣言が解除できると思いますか。
解除できると思う 22 23 20 22 22
解除できるとは思わない 77 76 78 76 78
◆緊急事態宣言が発令されたことで、これまでより外出やイベント参加を自粛しますか。
これまでより自粛する 86 84 88 84 87
これまでと変わらない 13 15 11 15 12
◆政府は事業規模108兆円の緊急経済対策を決定しました。これが新型コロナウイルスの感染拡大によって打撃を受けた日本経済に有効だと思いますか。
有効だと思う 32 35 28 28 36
有効とは思わない 38 41 35 37 39
わからない 30 24 36 34 25
◆政府の緊急経済対策では、収入が大幅に減った人に1世帯当たり30万円を給付するとしています。これを妥当だと思いますか。
妥当だ 22 23 21 25 19
不十分だ 46 49 44 40 53
過剰だ 8 9 8 9 8
わからない 23 19 28 27 20
◆どの政党を支持しますか。
自民党 34 37 32 37 32
立憲民主党 9 9 10 13 6
国民民主党 1 2 1 2 1
公明党 3 2 4 3 3
共産党 4 3 5 6 3
日本維新の会 5 6 4 4 6
社民党 1 0 1 1 -
れいわ新選組 3 3 2 2 3
NHKから国民を守る党 1 2 0 0 2
その他の政治団体 1 1 1 1 0
支持政党はない 36 35 38 28 44
(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満。―は回答なし。無回答は省略。
<調査の方法>社会調査研究センターと毎日新聞、JNNが18歳以上を対象に実施。4月8日午前11時から午後2時まで、コンピューターで無作為に数字を組み合わせた番号に自動音声応答で電話するRDS法で調査した。自動音声応答による固定電話調査は毎日新聞が昨年参院選の情勢調査で導入したが、今回初めて、ショートメールによる携帯電話調査も導入した。携帯では、自動音声応答で回答協力を依頼し、承諾が得られた場合にインターネットで回答する方法をショートメールで案内した。固定、携帯それぞれ回収目標サンプル数を1000件に設定し、固定1046件、携帯1144件の有効回答を得た。