「人との接触8割削減」3か所だけ…人口変動調査地域によって大きな差 強制力ない外出自粛限界に

安倍晋三首相(65)が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大すると発表してから初の週末となった18日に、主要駅や繁華街などの人出がどれだけ減少したかを分析したデータを19日、NTTドコモが公表した。感染拡大前と比べ、3~85%減となり、地域によって大きな開きが出た。13の特定警戒都道府県では軒並み大幅減少が見られたが、政府が目標とする「8割削減」を達成できている地域は少なく、更なる対策と国民の意識改革が必要となりそうだ。
全国に緊急事態宣言が出されたものの、安倍氏が会見で何度も繰り返している「人との接触8割削減」は、地域によっては程遠い数字であることが、データから浮かび上がった。
ドコモの分析は、宣言の対象が全国となって初の週末を迎えた18日午後3時時点の人出データを、1月18日~2月14日の平均と比較したもの。人出の減少率が最も大きかったのは、千葉県木更津市の金田東で85・9%。同所には大規模なアウトレットモールがあり、施設の休業が大きく影響しているとみられる。繁華街の大阪・梅田が84・1%、東京・新宿が80・2%と続き、特定警戒都道府県では減少率が大きい傾向が見られた。
一方で、第1号の感染者が確認される時期が遅かった島根県の松江大橋北は3・9%。鳥取駅も7・4%と減少率が少なかった。沖縄県で観光客が多く集まる那覇市の国際通りも10・0%にとどまった。ただ18日は地域によって悪天候の影響もあったとみられるほか、平日では異なる傾向が出る可能性もある。
数字に幅があるのは、接触機会の削減への取り組みに濃淡が見られるためだ。パーソル総合研究所(東京)が10~12日に実施した在宅勤務に関する調査では、先行して宣言が出された7都府県での導入は38・8%だったのに対し、残りの地域は13・8%にとどまった。7都府県のうち、東京を除く地域は3月時点では10%台で、緊急事態宣言の発令が導入の裾野を広げるきっかけになっており、今後はこの動きが全国に広がっていくことが期待される。
しかし、特定警戒都道府県にも課題はある。7都府県では1週前にも減少率が公表されているが、今回、緊急事態宣言の全国への拡大を受けても数字にそれほど変化が見られなかった。また、平日は休日よりも10~20%ほど減少率は小さくなっていた。もともと人口過密地域にある東京や大阪の「地元商店街」は19日、買い物客らで混雑。マスク姿の客で埋め尽くされる光景が見られた。強制力を伴わない外出自粛には限界が来ていると言えそうだ。
■感染者0岩手は、44・5%減
全国で唯一、感染者が確認されていない岩手県は、盛岡駅前が44・5%減。全69地点中40番目と「真ん中よりやや下」という結果だった。また、国民が新型コロナの恐ろしさを知る大きなきっかけとなったコメディアン・志村けんさんが足しげく通った麻布十番は28・4%減と、都内9か所の調査地点では最低の数字に。関西地区では、滋賀県大津駅の15・8%減が他地区と比べて減少率が際立って小さかった。
◆特定警戒都道府県 7日に緊急事態宣言が発令された東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に加え、累計感染者が100人を超えていたり感染者の増加曲線が急になっているなど、感染拡大が進んでいると政府が判断した地域。北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都が対象で計13都道府県。