新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、民間のホテルチェーンが軽症者や無症状感染者の受け入れを始めた。病床があふれて重症患者が治療を受けられなくなる「医療崩壊」の事態を防ぐ意義のある取り組みだが、周辺住民はどう受け止めているのか。
東京都中央区の「東横イン東京駅新大橋前」では、7日から入院患者の受け入れを行っている。ホテルの入り口付近には数人、マスクを着用したスーツ姿の男性が待機している姿があった。周辺の公園では数組の親子が自粛生活の息抜きを楽しんでいた。
隅田川を挟んだ江東区に住む40代女性は、「もはやひとごとともいえないので、ホテルの取り組みを応援したい。仮に自分が感染しても、近所で隔離されるなら同居する家族も安心するかもしれない」と理解を示す。
一方で、「ホテルを出る人は陰性だろうし専門家の指導もあるのだろうが、今まで不自由だった分、近場でも外食したいと思うのが普通だ。そこで感染が広がる可能性がないのかという不安はある」という複雑な心境を明かす。
東横インではホテルの貸し出しにあたり、「各行政機関が手配された専門家の管理下において医療体制を整え、近隣の皆さまの安全を脅かすことのないよう運用される」との見解を示している。
ホテル近くのオフィスで働く30代男性は、行きつけの飲食店で海鮮丼をテークアウト。「場所によって感染リスクに濃淡があるとは考えず、自分で予防を徹底するかが大切だと思う」と語る。
隅田川沿いをウオーキングする台東区の20代男性は、「3週間前から在宅勤務が始まって週末も気軽に出かけられない。体重が2キロほど増えてしまったので気分転換に訪れた」という。感染防止策は「結局は人と距離を取り、手洗いやマスク着用に気をつかうに限るのかな」と続けた。
東横インでは東京都のほか、千葉、愛知、福岡、石川、沖縄の各県でもホテルの1棟貸しを発表。ホテルチェーン大手のアパホテルも感染者の宿泊療養施設として、神奈川県と埼玉県の計2ホテルの1棟貸し出しを発表している。