休業要請後も営業を続けたパチンコ店の名称公表に24日午後、大阪府が踏み切った。要請に従わないパチンコ店の情報が府民らから多数寄せられ、クラスター(感染者集団)を生まないための措置だが、店や業界の関係者は「従業員の生活がかかっている」と反論。「開いている店を探すだけ」と話す愛好者もおり、対応の難しさがうかがえる。
店名が公表されたパチンコ店前ではこの日の朝も、開店を待つ約20人の列ができた。緊急事態宣言後も数回来店しているという大阪市内の男性会社員(28)は「休みの日が増えて時間を持て余している。コロナは怖いが、店が閉まるのは困る」。府の店名公表については「感染拡大防止策としては逆効果。愛好者は開いている店を探すだけだと思う」と言い、オープンした店に入っていった。
大阪府が施設名を公表したうちの一店の運営元は直後に「速やかに休業したいが、従業員の雇用の確保・生活の保障をしなければいけない」とのコメントを公表した。
府は休業要請に応じた中小零細企業に100万円の支援金を出す制度の創設を目指す。だが、別の店の男性マネジャーは「売り上げの1日分にもならない」と不満を漏らす。
一部のパチンコ店が営業継続にこだわる背景には、業界特有の事情がある。新台を入れ替えると1台約30万円かかるうえ、駅前などの店舗は家賃もかさむ。国は疫病や災害で経営難に陥った中小企業が融資を受けるための保証制度を設けており、パチンコ店は対象外だったが、国は24日に急きょ、制度の対象にパチンコ店も加える方針を発表した。
府内の業界関係者は「パチンコ店はもうけが大きいと思われているが、ほとんどは自転車操業だ」。この男性マネジャーも「営業を続けてきたことに批判は強いが、従業員を見捨てるわけにはいかないことも理解してほしい」と語気を強めた。
一方、今回の府の対応に理解を示す市民も多く、通りすがりの男性は「こんなご時世にパチンコ店に行くなんて」と語っていた。【鶴見泰寿】