「紛れ込み感染」か 大分医療センター院長、院内感染で見解 新型コロナ

新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した国立病院機構大分医療センター(大分市)の穴井秀明院長が27日、報道陣の取材に応じた。院内感染した理由について穴井院長は、無症状の感染者が本人も自覚せずに入院したことを発端とした「『紛れ込み感染』の可能性が高い」との見解を示した。【津島史人】
センターでは、3月に入って院内感染が発生。転院した病院で感染が判明した患者も含め、計24人が感染し、患者の70代女性が死亡した。
穴井院長は、短期間に感染が拡大した経緯について「職員が患者と接する際にどうしても必要な接触や、飛沫(ひまつ)による感染があったとみられる」と指摘。当初、感染経路として疑われたタブレット端末は使用しておらず、電子機器も消毒をしていたとした上で「(厚生労働省の)クラスター対策班も含めて、使用によって感染が広がったという結論に至らなかった」と否定した。
穴井院長は「対策を徹底しても、紛れ込みを完全にゼロにするのは難しい。介護が必要な入院患者も多く、喫緊に迫る医療崩壊を直に感じた」と述べ、「早期のワクチン、治療薬の開発を熱望する」と訴えた。
職員や家族に風評被害
一方で、センター側は感染が判明した以後、職員や家族に風評被害があったことを報告した。
センターによると、新型コロナの院内での発生を理由に、職員の配偶者が出勤停止になった▽職員と別に暮らしている家族も出勤停止になった▽職員が子供の卒業式への参加を拒否された――などの風評被害にさらされた。
穴井院長は「子供の預かりの拒否や、転勤に伴う引っ越しで業者の拒否まであった」と述べ、「不安な気持ちは誰しも持つが、ウイルスとの戦いは社会全体で一致団結することが必要。差別的な対応は控えていただきたい」と呼びかけた。
一方で穴井院長は「応援やサポートの声もたくさんあった。本当に職員の励みになった」と感謝の言葉を述べた。