コロナで入所者5人死亡の老人保健施設 理事長が初動対応の不備認め謝罪 富山

新型コロナウイルスに52人が集団感染し、うち入所者5人が死亡した富山市の老人保健施設「富山リハビリテーションホーム」を運営する医療法人社団「恵成会」の升谷敏孝理事長、升谷厚志施設長が28日、初めて毎日新聞などの取材に応じた。理事長は「関係者の皆様にご心配をおかけし、申し訳ありません」と謝罪した。【高良駿輔】
富山リハビリテーションホーム運営法人の升谷敏孝理事長、升谷厚志施設長との主なやりとりは以下の通り。
理事長 このたびは新型コロナウイルスで入所者の感染が判明し、5人の入所者が亡くなった。哀悼の意を表すとともに、ご遺族にお悔やみ申し上げます。県、富山市の支援を頂きながら今回の事態に全力で取り組んで参りますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。
――利用者ら施設内にいる人数や健康状態は。適切な治療ができているのか。
施設長 医師、看護師、ヘルパーら8人が45人の入所者を一生懸命(治療、介護している)。容体が悪い人、具合が悪くて病院に搬送されてしまう人はいない。切なく思っている家族の方が安心できるように、本当にもう、命をかけて頑張ります。
――今になって取材に応じたのはなぜ。情報公開のあり方に改善が必要では。
理事長 連絡が遅れて申し訳ない。県と市との調整に時間がかかった。これからは県と市と連携を取る。
――施設内の感染者には4月上旬に発熱し、検査まで1週間かかった人もいる。初動に問題はなかったのか。
施設長 まさかこのようなことが起こるとは。自分の認識の低さだ。
――経営責任と今後の事業継続については。
理事長 今は事態の収拾に全力を尽くす。とにかく皆様の健康、命を守ることに全力を尽くす。落ち着いたらそこは考えたい。