新型コロナウイルス感染拡大防止のために臨時休館した静岡県の沼津市立図書館(三枚橋町)が12日、1カ月ぶりに開館した。密集防止策として一度の来館者が100人を超えないように入場を制限。午前9時半の開館から15分で上限に達し、開館を待ちわびて訪れた市民の長い行列が館外まで続いた。
図書館は3月6日に学習室の使用や新聞、雑誌の閲覧を禁止。4月11日に全面的に臨時休館したが、国が感染防止策を講じることを前提とした開館を否定しない方針を示したため、開館を決めた。
ただし、この日も学習室使用禁止、閲覧禁止などの措置を継続。カウンターに飛沫(ひまつ)を防ぐ透明のシートを新たに設置した。「社会的距離」の確保のため、カウンター前の床に約2メートルの間隔を保つように立ち位置も示した。職員は全員が手袋を着用。返却本は一冊一冊、職員が除菌した。
図書館の尾和富美代館長は「たくさんの本を読んでほしい。感染を防止するため、利用者に不便をかけるかもしれないが、協力をお願いしたい」と話した。【石川宏】