新型コロナウイルス対策の休業要請を大阪府が大幅に解除したことを受け、大阪市立中央図書館(同市西区)が16日午前、約2カ月半ぶりに開館した。館内での読書が禁止されるなど制限付きの再開だが、待ちわびた市民がさっそく次々と訪れていた。
市立図書館は感染拡大を防止するため3月2日から一斉に閉館していたが、14日に開かれた府の対策本部会議で図書館に対する休業要請の解除が決定。市は、館内の座席をすべて撤去▽新聞などの閲覧は禁止▽利用時間は30分以内――などの対策を取ったうえで開館することにした。
中央図書館では午前9時15分の開館前から数十人が距離を取りながら入り口の前に並んだ。館内には「借りたい本を選ぶだけにしてください」などの注意書きも。新聞を読みに来て戸惑う人の姿もあったが、多くの人は借りたい本を手早く選び、飛沫(ひまつ)感染を防ぐためビニールの幕が張られたカウンターで貸し出しの手続きをしていた。
子供と3人で来た大阪市大正区の小学校教諭の女性(49)はテレビドラマ「半沢直樹」の原作などを手に、「家族で40冊ほど借りた」と笑顔。小5の長女(10)は「暗いニュースばっかりだったので開館はとてもうれしい。家に帰って勉強してから読む」とリュックに本を入れていた。中央図書館の林隆子課長代理は「大変お待たせしましたという気持ち。引き続き感染予防には気をつけていきたい」と話していた。【田畠広景】