東京都は19日、新型コロナウイルスの感染防止対策として、全ての都立学校(都立高校など)で、生徒らの発熱をチェックする「サーモグラフィー」を配備すると発表した。区市町村立や私立の学校にも費用を一部補助する。都によると、全国的にも珍しい取り組み。小池百合子知事は同日、緊急事態宣言の解除後、都が段階的に緩和する休業・自粛要請の初期段階で、学校を再開する考えを明らかにした。
都教委によると、サーモグラフィーは各校に1台ずつ配備する。飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、アクリル板を教卓などに置いたり、フェースシールドを備えたりする。同日発表した2020年度一般会計補正予算案に42億円を計上した。2~6月に予定した都立学校の修学旅行などが感染拡大で中止・延期となり、キャンセル料が発生した場合、一部を肩代わりするため、別途5000万円の経費も盛り込んだ。
都は15日、休業要請の緩和について、博物館などを入場制限付きで再開する「ステップ1」から段階的に実施するロードマップ(行程表)の概要を明らかにしている。小池知事は19日、「都立学校はステップ1。(区市町村立などの)小中学校は地域の事情で決める流れになる」と指摘。都教委などによると、都が休業要請緩和の条件とした「新規感染者数が1日20人未満」(1週間平均)などの指標を満たせば、分散登校などで再開するという。
都が19日発表した一般会計補正予算案は総額5832億円で、都が新型コロナ対策として投じた予算は19、20年度の合計で1兆820億円と1兆円を突破した。自治体の貯金にあたる「財政調整基金」を8836億円取り崩しており、残額は493億円となる。都の基金残高が1000億円を割るのは、石原慎太郎都政下の03年度以来となる。
今後、東京五輪・パラリンピックの延期に伴う追加負担も予想され、都庁内でも財政運営を不安視する声が上がる。小池知事は「政策目的に応じた基金や起債の発行余力など対応する力を備えている。財源は最大限活用し、今後も必要な対策を講じる」と説明した。一方、東京、埼玉、神奈川、千葉の4都県知事は同日、テレビ会議を開き、休業要請などを効果的に進めるため、緊急事態宣言の一括解除が望ましいとする認識で一致した。【南茂芽育、古関俊樹、五十嵐朋子】