“令和おじさん”菅官房長官の凋落 検察庁法改正案採決断念でハッキリ

見事なまでの凋落ぶりだ。検察庁法改正案の先送りで際立ったのは、安倍首相と菅官房長官の足並みの乱れである。

そもそも世論の反発を招いた黒川弘務・東京高検検事長の定年延長は、安倍首相と菅長官が決めたものだ。昨年末から官邸と法務省との間で水面下で進められた次期検事総長の人選。2月21日付の読売新聞によると、法務省から提案された複数の候補者のうち、2人は黒川氏が望ましいとの意向を示したという。

そして政府の定年延長措置で黒川氏に次期検事総長の道を開き、この検察人事への異例な政治介入を後付けで正当化したのが改正法案だ。しかし、怒涛の「ツイッターデモ」が政治を動かし、恐れをなした安倍首相はわが身可愛さで「定年延長も改正法案も法務省が持ってきた」と、いつものように平然と嘘を吐き、責任から逃れた。

「官邸の守護神」の検察トップ就任に向け安倍首相と二人三脚で動いていたつもりの菅長官にすれば、いきなりハシゴを外されたようなもの。菅長官は最後まで成立させるポーズを取ったらしいが、結局、法案は採決断念に追い込まれた。

「新型コロナ対策で総理が2月に学校の一斉休校を打ち出した際も菅さんは蚊帳の外。意思決定に関与したのは、総理のイエスマンの官邸官僚だけ。これまで政権の危機管理を担ってきたと自負する菅さんにすれば、面白かろうはずがない。今回の一件でも、政策決定に関われない立場が浮き彫りとなりました」(政府関係者)

昨年4月の新元号発表以来、「令和おじさん」とチヤホヤされた菅長官だが、たった1年ちょっとで今や官邸の邪魔モノ扱い。最近の話題といえば雑誌「プレジデント」で人生相談を始めたことくらいだ。他人の人生相談に乗る前に、そろそろ自身の次の生きる道を相談してもらった方がいい。