6月「再自粛」警戒! 神奈川県と北海道は基準クリアできず…全面解除“前倒し”で大丈夫か

安倍晋三首相は25日夜の政府対策本部会合で、新型コロナウイルス特別措置法に基づき首都圏の1都3県と北海道で継続している緊急事態宣言を解除する。期限の31日を前倒しして解除するが、神奈川県と北海道では解除判断の目安となる基準をクリアできていない。フライング気味に各地で人出が増えており、早ければ6月中にも「再自粛」へ逆戻りするリスクも残る。

政府は解除判断の目安を「直近1週間の新規感染者の累積報告数が人口10万人当たり0・5人程度以下」としているが、24日までの1週間で、北海道は0・72人、神奈川も0・7人と目安を上回ったままだ。埼玉(0・15人)や千葉(0・1人)は十分に下がっている。東京都は0・36人と目安を下回っているが、神奈川から東京に通勤や通学で移動する人も多いこともあり、再流行の恐れはある。
医療リスクマネジメントに詳しい内科専門医で中央大大学院教授の真野俊樹氏は「今後も再流行のリスクはあるので、解除後も、個人としての『3密』(密閉・密集・密接)を避ける行動を続けざるをえない。基準を明示し、これを超えた場合、『自粛生活に戻るかもしれない』と注意喚起することがポイントになるだろう。今後自粛の基準も国や県単位では広すぎるため、県よりも小さい市や地方単位で判断や注視していく必要がある」と指摘した。
NTTドコモのデータ分析によると、首都圏4都県と北海道の主要駅や繁華街の24日時点の人出は、感染拡大前に比べて39・6~86・0%の減少だが、前週日曜の17日に比べると首都圏の人出は総じて増加しており、外出自粛に緩みが目立つ。
東大大学院理学研究科の大橋順准教授(集団ゲノム学)は、「接触8割減」の自粛期間が60日だった場合でも、自粛を解除すると30日で元に戻る可能性があると試算、「解除した後も6割程度の接触減を続ける必要があるだろう」との見解を示している。油断すれば6月中にも再度緊急事態宣言が必要となる事態となりかねない。
国民は自粛と解除に振り回される生活が続くのか。西武学園医学技術専門学校東京校校長で医学博士の中原英臣氏は「緊急事態宣言が発令されたころにはすでに感染者のピークは過ぎていた可能性もある。国民の衛生意識の高さが感染予防に貢献したともいえるが、背景をしっかりと分析し、第2波以降の対策に反映させることが重要だ」とクギを刺した。