和歌山県知事「よかった」 新型コロナ入院患者ゼロで

新型コロナウイルスの入院患者が3日、ゼロになった和歌山県。国内初の院内感染が判明した済生会有田病院(湯浅町)関連で最初に入院患者が発生した2月14日以来という。県内の感染者数は計63人で、新たな感染者も5月12日以来確認されていない。仁坂吉伸知事は「よかった。これからも感染者を増やさないよう対応を続ける」と話した。
県によると、3日に入院患者3人が退院し、入院者はゼロになった。3人は、クラスター(感染者集団)が発生していた紀の川市立打田中学校関係の10代男性と、橋本市のデイサービス施設「さくら苑」の職員の50代男性、利用者の90代女性。
いずれも2日に2度目のPCR検査を受け、陰性と判明した。このうち10代男性は、4月8日に陽性と判明して以来、2カ月近く入院を続けてきた。
県の集計によると、新型コロナウイルスでは、今回の3人を含む8人が健康観察中、52人が社会復帰を果たした一方、3人が死亡した。
県内では、2月13日に済生会有田病院で最初に医師の感染が判明した後、同僚の医師や家族、入院患者にも次々広がり、国内初の院内感染に発展した。
3月には、和歌山市内の民間のコールセンターや外車販売店、市役所などでも感染が判明。
4月には、紀の川市立打田中学校や橋本市のデイサービス施設「さくら苑」でクラスターが発生した。その後は感染の勢いが徐々に沈静化。ピーク時は29人に達した入院者数も減少し、今回ゼロとなった。
仁坂知事は「特に有田病院とデイサービス施設は、どこまで影響が広がるか怖かった」と振り返る一方、「皆さんの自粛のおかげで今の状況を迎えることができた。世界中で(感染者が)ゼロになったわけではなく、また出ると思うが、そのたび、きちっと対応していきたい」と話した。