7日午後1時ごろ、大津市の沖合の琵琶湖で「ボートが転覆した」と乗っていた女性から110番があった。船には小学生2人と保育園児1人を含む4~41歳の男女計13人(いずれも大阪市此花区)が乗っていたが、午後4時ごろまでに全員が救助され、39歳の女性1人が入院した。命に別条はないという。県警などが詳しい状況を調べている。
滋賀県警大津北署によると、船は操縦していた会社員の男性(41)が所有している。「家族や知人らとウエークボードをするために琵琶湖に来た」と説明しているという。
船は大津市北小松のマリーナを午後0時半ごろに出航。午後3時15分ごろに、約10キロ南の同県野洲市吉川の沖合約3キロで転覆しているのが見つかった。13人は周辺で船やうきわにつかまって救助を待っており、ライフジャケットを着ていた人もいた。滋賀県は条例で、琵琶湖を航行するレジャー船の乗客にライフジャケットの着用を義務付けている。この船は全長約7メートル、定員は約10人で、同署は関係者から事情を聴いている。
彦根地方気象台によると、事故当時、現場付近は晴れていた。風速は6~7メートルで、強風注意報などは出ていなかったという。
救助された13人のうち、5人は大津市南小松の近江舞子中浜水泳場付近の船着き場に運ばれた。パトカーや消防車数台が駆けつけ、辺りは一時騒然とした。
友人と泳いでいた京都市の高校3年の男子生徒(17)によると、7日午後2時ごろ、「船が転覆して行方不明者がいる」と放送が流れたという。生徒は「最初はあまり気にしていなかったが、消防車などが次々に来て緊張感が高まった。事故は怖い」と話した。京都府京丹波町から遊びに来ていた男性(23)は「全員無事で良かった」とほっとした表情を見せた。
周辺水域では過去に6人死亡の転覆事故発生
国の運輸安全委員会がまとめた「琵琶湖船舶事故防止ハンドブック」によると、2008年10月から19年4月までの10年半の間に同委員会が調査した琵琶湖の船舶事故は143件。死者は17人、行方不明者は1人、負傷者は102人に上る。今回、転覆した船が出航したマリーナ周辺は、琵琶湖の西側に連なる比良(ひら)山地から局地的な強風「比良おろし」が吹く場所で、事故多発水域と位置付けられている。
この水域の近くでは03年9月、クルージングに出たヨットが強風を受けて転覆し、子ども3人を含む6人が死亡、女性1人が行方不明になる事故も起きた。【諸隈美紗稀、菅健吾、添島香苗、田畠広景】