裁判員ら「違和感あった」=弁護人のマスク拒否―東京地裁

弁護人が新型コロナウイルス対策のマスク着用を拒否し、初公判の開廷が遅れるトラブルがあった裁判員裁判の判決が12日、東京地裁であった。判決後、裁判員と補充裁判員を務めた男女4人が記者会見に応じ、「窓のない法廷で着用しないことに違和感があった」「フェースシールドを使えばよかったのでは」などと語った。
遅延したのは、母親に対する殺人罪に問われた女性被告(55)の裁判員裁判。2日の初公判で、裁判長からマスク着用を促された弁護人2人が「全力で弁護するのが難しい」などと拒否し、廷内のアクリル板を増やして再開するまで2時間余り遅延した。
40代の男性裁判員は「弁護人が話す場面で、マスクの有無の影響は感じなかった。むしろ被告がマスクをしていると顔半分が見えず、表情が分からない時があった」と語った。補充裁判員の40代女性は「弁護人のパフォーマンスと感じた」と批判しつつ、「被告の声が非常に小さかった。マスクをしていなければ聞き取れた部分もあったかもしれない」と振り返った。
弁護人も取材に応じ、「マスクは着けた人の匿名性を高め、発言の説得力を左右する。証拠そのものに影響を与える恐れがある」と語った。
判決では、被告が統合失調症で心神耗弱状態にあったことを踏まえ、懲役6年の求刑に対し、懲役3年、執行猶予5年が言い渡された。
[時事通信社]