大相撲・境川部屋(東京・足立区)の力士約20人が、部屋近くの川に転落した女性を救助していたことが11日、分かった。女性は病院に搬送されたが、命に別条はなく、警視庁竹の塚署は、同部屋や、救助を求めた70代の男性に感謝状を贈る予定としている。
同署によると、10日午前5時半ごろ、同区の毛長川に架かる橋から、30代の女性が飛び降りた。自殺を図ったとみられる。通りかかった70代男性が助けようとしたが引き上げられず、周囲に大声で助けを呼んだところ、境川部屋の親方が気付き、力士が救助に駆けつけた。力士らで女性を川から約2メートル上の道路まで引き上げたという。
境川部屋勢の人命救助は今回が初めてではない。2005年7月には、名古屋場所中の愛知県内で火災現場に遭遇した当時の三段目力士・薩喜海(さつきうみ)が2階にいた女性を、はしごで救出。名前を告げずに現場を去ったが、後日、愛知・江南消防署から感謝状を贈られていた。
大相撲は新型コロナウイルス感染拡大の影響で5月の夏場所が中止に。同13日には、高田川部屋の元三段目力士・勝武士さんが28歳の若さで新型コロナ感染症により命を落としていた。感染予防のため、不要不急の外出が禁止されている各部屋の力士は、現在も接触を伴う稽古を制限しながら、東京で無観客を視野に入れた特別開催となる7月場所(同19日初日・両国国技館)へ準備を進めている。
◆境川部屋 2003年1月、境川親方(元横綱・佐田の山)の定年に伴い、現師匠の中立親方(元小結・両国)が名跡交換して、同時に中立部屋を境川部屋に改称。今年1月に現役を引退した元大関・豪栄道(現・武隈親方)らを育てた。現在は幕内・妙義龍、佐田の海らが所属。所在地は東京・足立区舎人。